荒廃した世界・文明崩壊などを描く「終末漫画」。
「ほとんど人がいない世界」や「終末サバイバル」を描いたものが多く、「ポストアポカリプス漫画」と呼ばれることもあります。
でも終末ものってマイナーなジャンルなので、なかなか面白い漫画が見つからないですよね……。
SFやファンタジーが好きな人はいっぱいいますが、「終末ものが好きだ」という人にはあまり出会えません。
- 終末漫画ってどこで探せばいいの?
- 文明崩壊をテーマにしたポストアポカリプス漫画を見つけたい
- 荒廃した世界を描いた終末ものをまとめてほしい
こうした悩みを解決するために、この記事では5000冊以上読んできた筆者が、本当に面白い終末ものを厳選しました。
すべて「完結漫画」なので、一気読みで楽しみましょう!
- 終末漫画のおすすめ20選ランキング【ポストアポカリプスの荒廃した世界】
- 1位 風の谷のナウシカ(全7巻)
- 2位 少女終末旅行(全6巻)
- 3位 火の鳥・未来編(全1巻)
- 4位 AKIRA(全6巻)
- 5位 ヨコハマ買い出し紀行(全14巻)
- 6位 BASARA(全27巻)
- 7位 BLAME!(全10巻)
- 8位 新世紀エヴァンゲリオン(全14巻)
- 9位 7SEEDS(全35巻)
- 10位 Dr.STONE(全26巻)
- 11位 銃夢(全9巻)
- 12位 EDEN 〜It’s an Endless World!〜(全18巻)
- 13位 ロジカとラッカセイ(全3巻)
- 14位 デッドデッドデーモンズデデデデストラクション(全12巻)
- 15位 銀河の死なない子どもたちへ(全2巻)
- 16位 北斗の拳(全27巻)
- 17位 鳥人大系(全2巻)
- 18位 絶滅の島(全1巻)
- 19位 All You Need Is Kill(全2巻)
- 20位 ファイアパンチ(全8巻)
- 【Q&A】「連載中の終末漫画は?」などありそうな質問5選
- 【まとめ】終末漫画のおすすめ20選【文明崩壊・荒廃した世界など】
終末漫画のおすすめ20選ランキング【ポストアポカリプスの荒廃した世界】
それでは、ここから「終末漫画のおすすめ20選ランキング」を紹介します。
私が実際に読んで感じた「おすすめポイント」や「感想・評価」をまとめてあるので、漫画選びの参考にしていただけると嬉しいです。
1位 風の谷のナウシカ(全7巻)
👑 おすすめ度:92
★★★★★★
終末漫画の金字塔。映画にはない「本当のナウシカ」がここにある!
あらすじ
「火の7日間」とよばれる厄災から1000年。文明が壊れてしまった終末世界では、菌類の森「腐海」が広がり、恐ろしい生態系がつくられていた。わずかに生き残った人類も「巨神兵」をめぐって争いはじめ、少女ナウシカは恐ろしい混乱の渦に巻き込まれていく。
おすすめポイント
謎と衝撃だらけのストーリーが面白すぎて、1巻から最終巻まで読む手が止まらない終末漫画です。腐海のナゾ、巨神兵の役割、ナウシカの正体など、アッと驚くような設定がどんどん明かされていくので続きが気になって仕方ない!
王蟲、メーヴェ、風の谷など、細かく作りこまれた世界観も魅力です。文明崩壊後の荒廃した世界をこれでもかと味わえます。
映画だけでは味わえない純度100%の宮崎ファンタジー。まだ読んでいない人が羨ましいくらいの大傑作です。
「風の谷のナウシカ」の感想・評価
虫がたくさん出てきます。苦手な方は注意してください。
2位 少女終末旅行(全6巻)
🥇おすすめ度:90
★★★★★
温かくて、恐ろしくて、切なくて・・・。心に強く問いかけてくる終末漫画
あらすじ
文明が崩壊した終末世界。生命体はほとんどいなくなり、いくつもの階層に分かれた都市だけが残っている。チトとユーリの2人は、廃墟となった終末都市のなかを、ケッテンクラートに乗ってさまよい続ける。2人の少女のほのぼのとした終わりの旅を描く物語。
おすすめポイント
「終末感」をすごく味わえる終末漫画です。滅びた古代文明とか、人がいなくなった廃墟とか、終末ものに求められる要素がそろっていると思います。
説明が少ないので、謎だらけなところもポイント。正体不明の宗教が出てきたり、ふしぎな生命体が出てきたりします。思わずワクワクしてしまうこと間違いなし!
ほのぼのとした2人の旅のなかにも、謎があり、恐ろしさがあり、温かさがあり、切なさがあるんですよね…。心を揺さぶる美しい終末漫画だと思います。
「少女終末旅行」の感想・評価
「装備のデザインが定まっていない」「サバイバル描写が足りない」などのツッコミどころがあります。本格的なSFとして読むよりも、終末の雰囲気を楽しむくらいがいいのかもしれません。
3位 火の鳥・未来編(全1巻)
🥇おすすめ度:90
★★★★★
人類文明の始まりと終わり。壮大なスケールで「生命」を描いたSF黙示録
あらすじ
西暦3404年。激しく争いあった人類は、地下都市メガロポリスで生活していた。ある日、マサトとタマミの2人はメガロポリスから逃げだし、人工生命の研究を行う猿田博士と出会う。そして猿田博士の研究を引きついだマサトは、最後の生き残りとして人類の行く末を見守る。
おすすめポイント
手塚マンガの最高傑作の1つだと思います。何億年という壮大なスケールの中で、予測できないようなストーリーを語り、人類文明に対する警告メッセージまでも放つSF大作。
西暦3404年という時代設定だけでも壮大ですが、ストーリーは「何億年」というレベルなんですよね。荒廃した世界。文明崩壊。あらゆる終末要素が詰まった凄まじい物語です。
生命とは? 進化とは? 人類文明はどこへ行き着くのか? 私の人生観を変えてしまうような強烈なインパクトのある終末漫画でした。
「火の鳥」の感想・評価
かなり古い漫画です(1960年代の作品)。最近の漫画のスタイルに慣れている人は、読みにくく感じるかもしれません。
未来編は、角川文庫なら第2巻、kindleなら第3巻になります。
4位 AKIRA(全6巻)
🥇おすすめ度:88
★★★★★
圧倒的な画力と世界観で、海外のクリエイターにも影響を与えたSF大作。
あらすじ
近未来につくられた荒廃都市「ネオ東京」。そこでは「超能力者」をめぐって、政府、少年少女などのグループが争っていた。ある日、主人公の少年の金田は、政府の最高機密「アキラ」をめぐる騒乱に巻きこまれてしまう。この騒乱のなかで、金田の幼なじみである鉄雄が、超能力にめざめて暴走をはじめ、金田は鉄雄と対決することになる。
おすすめポイント
とにかく作画がすごいです。緻密な線、圧倒的なディテール、3Dのように立体的なコマは、今読んでも息を呑むようなクオリティだと思います。
ディストピアな世界観も衝撃で、何もかもが「パンク」。文明崩壊系ではないですが、治安が悪くて、かなり荒廃した世界になっているところもポイントです。
日本の漫画界では「大友以前・大友以降」という言葉がありますが、大友さんが後世のクリエイターに与えた影響はすさまじいと思います。
アニメ映画も名作なので、そちらも含めてぜひチェックしてほしい終末漫画です
「AKIRA」の感想・評価
ストーリーがやや分かりにくいです。物語を楽しむよりも、画力や世界観を味わうつもりで読むことをおすすめします。
5位 ヨコハマ買い出し紀行(全14巻)
🥇おすすめ度:87
★★★★★
美しい世界観。心を癒してくれる終末漫画。
あらすじ
水没しつつある近未来の日本。海沿いのカフェを営むロボット「アルファ」は、オーナーの帰りを待ちながら、一人で平穏な日常を送っている。ゆるやかに破滅へと向かう終末世界で、アルファと残された人々が平和な時間を過ごす物語。
おすすめポイント
穏やかな終末SFです。1コマ1コマに癒されるし、まったりしたムードに心洗われます。ほのぼのとしたSF的日常。可愛らしいアルファさん。美しい情景。何もかもが心地いいです。
文明崩壊後の荒廃した世界でも「人生って楽しい」と思わせてくれる最高の作品。毎日忙しくて心の余裕がない現代人にこそ読んでほしい終末漫画です。
「ヨコハマ買い出し紀行」の感想・評価
あまりにも平和すぎて、退屈に感じるかもしれません。派手なアクションなどが好きな方には合わない可能性があります。
6位 BASARA(全27巻)
🥇おすすめ度:86
★★★★★
怒涛の戦記ドラマ。涙なしには語れないジパング伝説!
あらすじ
20世紀末、大きな災いにより地球が滅びかけ、世界は終末を迎える。それから300年が過ぎたころ、とある村に運命の子「タタラ」が誕生する。やがてタタラをめぐる騒乱がはじまると、タタラの妹であるヒロイン「更紗」は、壮絶な運命のいたずらに巻き込まれていく。
おすすめポイント
息もつかせぬ怒涛の戦記ドラマです。熱い。熱すぎる!
序盤から凄まじい展開で、奇襲や家族との別れなど、過酷なストーリーが嵐のように襲いかかってきます。
心の葛藤を抱えながらも、泣き叫びながらたたかうヒロインの姿は圧巻。敵を討つ。私が討つ!熱く燃えたぎるような決意に胸打たれて、何度も涙をこらえながら読みました。
世界観としては、文明崩壊後の荒廃した世界で、ほとんど砂漠に覆われている状態です。そんな過酷な環境のなかで展開するストーリーがとにかく圧巻。人生のバイブルにしたい名作です。
「BASARA」の感想・評価
絵がちょっとユニークです。戦闘シーンでは、ごちゃごちゃしていて分かりにくいところがあります。気になる方は、試し読みなどで絵柄をチェックしておきましょう。
7位 BLAME!(全10巻)
🥈おすすめ度:85
★★★★
ナゾだらけの終末ワールド。沈黙の傑作。
あらすじ
はるか遠い未来。どこまでも広がる階層都市。あまりにも発達したインターネット社会が暴走し、危険でカオスな終末世界が広がっていた。そこで探索者キリイは、正常な世界のコントロールを取り戻すために、何千というフロアをさまよっていく。
おすすめポイント
とにかく荒涼とした終末の世界観がすごい。どこまでも広がる作品世界に圧倒されます。「サイバー型ダンジョン」とでも言ったらいいのか、とにかく巨大すぎる建築物が出てきて息を呑むほど壮観。
しかもそのダークな建物のなかを、探索者がたった1人ポツンと歩いていくんですが、その静かな感じがなんとも崇高で胸に訴えてきます。まるで水墨画を見ている時のような、おごそかな気持ちになるんですよね……
「超構造体」や「統治局」など、謎に包まれたシステムも登場。絵も設定も尋常じゃない、唯一無二の終末漫画だと思います。
「BLAME!」の感想・評価
絵のクセが強いです。好き嫌いが分かれると思います。作者の個性が強烈なので、試し読みをおすすめします。
8位 新世紀エヴァンゲリオン(全14巻)
🥈おすすめ度:85
★★★★
絶望に立ち向かえ!アニメよりも前向きなエヴァンゲリオン
あらすじ
西暦2015年。「セカンド・インパクト」という災害によって世界は崩壊していた。主人公の碇シンジは、ある日いきなり父親に呼び出され、巨大な人型ロボット「エヴァンゲリオン」のパイロットになるよう命じられる。こうしてシンジは14歳という若さで、第3新東京市に襲来する敵「使徒」と戦うことになる。
おすすめポイント
言わずと知れた名作SF。思春期の少年少女たちの奮闘が、理不尽なロボット戦闘のなかで生々しく語られます。
アニメ版が有名ですが、貞本義行さんが描いた「貞本エヴァ」と呼ばれる漫画版も見逃せません。貞本エヴァは全体として明るく、素直な雰囲気に仕上がっているところが魅力。アニメよりストーリーが分かりやすいし、シンジの性格もそんなに歪んでいません。
そしてあの爽やかなラストは、漫画版だけでしか味わえない!アニメとも映画とも違う「第3のエヴァ」を、ぜひ体験してほしいです。
「新世紀エヴァンゲリオン」の感想・評価
アニメとはかなり違います。アニメ版特有の、暗さ、難しさ、心理的なムードなどなどは控えめになっています。ファンの方は注意してください。
9位 7SEEDS(全35巻)
🥈おすすめ度:84
★★★★
少女マンガ× SFサバイバル。「BASARA」と並ぶもう1つの傑作
あらすじ
ある日、ナツが目覚めると、そこはそこは荒れ狂う海の上だった。ここはどこ? 私はなぜここにいるの?何が起きているのか分からないまま、無人島で恐ろしいサバイバル生活が始まる。
おすすめポイント
読む手を止められない面白さです!ナゾの場所。ナゾの人物。ナゾの現象。
文明崩壊後の荒廃した世界なので、分からないことだらけなんですよね。その状況から、少しずつ点と点がつながっていくところが快感でした。
田村由美さんはストーリーを語るのがうまい!たった1度でも心を掴まれたら、もう読むのをやめられず、気づいた時には全巻読破してます。面白すぎるので徹夜注意ですよ……
リアルな心理描写や、説得力のあるセリフなど、心を強く揺さぶるパワーもすさまじい。同じく田村さんが描いた「BASARA」にも負けない完成度です。
「7SEEDS」の感想・評価
極端なキャラクターが出てきます。自己主張の強すぎる女性がいたり、自分勝手な男性がいたりするので、合わないキャラクターが出てくるかもしれません。
10位 Dr.STONE(全26巻)
🥈おすすめ度:83
★★★★
ゼロから科学文明をつくる⁉︎ 前代未聞の終末サバイバル
あらすじ
ある日、いきなり全人類が石になってしまうという謎の現象が発生した。その石化現象から3700年後。石器時代まで文明が戻ってしまった終末世界で、天才高校生「石神千空」たちは、ゼロから科学文明を復活させようとしている。
おすすめポイント
テンポ良く読める科学ファンタジー終末漫画。さくさく進むので面白いです。
地道な努力とアイディアで「衣食住」などの問題を解決していくのですが、この展開がアツい。根性で乗り切るところもありますが、科学チックな理屈があるのでリアリティを感じます。
文明崩壊後の世界でサバイバルってかなり過酷だと思うんですが、キャラクターが明るいので全体的に楽しいです。「科学って面白い!」と思えるし、とても勉強になります。
新しいキャラクターの登場や石化の謎など、見逃せないところが多い終末SF。世代を問わずワクワクできる少年漫画だと思います。
「Dr.STONE」の感想・評価
あくまでも「少年漫画」です。ツッコミどころは色々とあります。都合のいい展開があったり、変なギャグが挟まれたりしますが、そこも含めて楽しみましょう。
11位 銃夢(全9巻)
🥈おすすめ度:83
★★★★
サイボーグ少女×バトル漫画。ハリウッド映画化もされた本格SF
あらすじ
空中都市ザレムが支配する終末世界。地上ではゴミを再利用する「クズ鉄町」の人々が暮らしていた。ある日、クズ鉄町のゴミ山のなかから、少女型サイボーグが掘り出される。やがて機甲術を身につけたサイボーグ少女ガリィは、様々な敵とたたかっていく。
おすすめポイント
格闘サイボーグが戦うバトル漫画。最高にかっこいいです。立体的なアクションシーンは見ごたえバツグンだし、全体として作画クオリティが高い。
クズ鉄町からただよう終末感もさることながら、ナノマシンや脳チップなど、サイバーパンクSFを強く感じさせる世界観にも痺れます。怪しげなガジェットの数々が心をくすぐってくる…
「アリータ: バトル・エンジェル」としてハリウッド映画化もされています。しかも製作にはジェームズ・キャメロンが参加しているというからびっくり。世界的にも有名な終末漫画なので、ぜひ手に取ってみてください。
「銃夢」の感想・評価
少年漫画っぽさが強いです。「攻殻機動隊」などを好むコアなSFファンにとっては、物足りないかもしれません。
12位 EDEN 〜It’s an Endless World!〜(全18巻)
🥈おすすめ度:82
★★★★
「楽園」はどこにあるのか? 重く問いかける哲学SFマンガ
あらすじ
ウイルスの大流行によって、重大な危機に直面した終末世界。やがて世界は原父(プロパテール)という勢力に支配されるようになる。少年エリヤは、この恐ろしいプロパテールと対立し、激しい争いを繰り広げていくことになる。
おすすめポイント
メッセージ性の強い終末漫画です。作者の思想・哲学がストーリーに表れていて、色々と考えさせられます。
まず第1巻のプロローグはユートピアのような雰囲気で始まります。平和です。でもそれ以降はどんどん残酷になり、目を背けたくなるようなシーンも出てきます。
リアルな社会問題に斬りこんでいくシリアルな展開すごい。「この世は救いようがない」というメッセージ性が強くなります。読んでいてすごく辛いんですが、現実に起きていることなので説得力があるんですよね…
文明崩壊後の世界にも「楽園」はあるのか?世界の意味について問いかける哲学SF漫画です。
「EDEN」の感想・評価
作者のメッセージが強いので、やや説教くさいです。「頭をからっぽにして楽しみたい」という人にはおすすめしにくいかなと思います。
13位 ロジカとラッカセイ(全3巻)
🥈おすすめ度:81
★★★★
ほのぼのした日常ダークファンタジー。ちょっと可愛くて、ちょっと怖い。
あらすじ
とある惑星で暮らすロジカとラッカ。ふたりは謎のアイテムを見つけたり、森を探索したりして、毎日楽しく過ごしている。分からないことだらけの惑星で、ふしぎな日常をおくるストーリー
おすすめポイント
奇妙なショートストーリー集です。絵本のようなタッチで読みやすいですが、たまに衝撃的なオチがあります。ほのぼのとした優しい日常生活のなかに、うっすらと漂うダークな空気感がクセになるんですよね……
人間社会を「古代文明」と呼んでいるので、おそらく文明崩壊後の終末世界だと思います。こういう裏設定がさりげなく語られていくところも魅力ですね。たった3巻ですが、すごく密度が高い終末漫画です。
「ロジカとラッカセイ」の感想・評価
ノリが子どもっぽいです。幼稚なキャラクターが出てきても温かい目で見守りましょう。
14位 デッドデッドデーモンズデデデデストラクション(全12巻)
🥈おすすめ度:81
★★★★
侵略SF×青春ストーリー⁉︎ あまりにもぶっ飛んだ問題作
あらすじ
3年前、宇宙船が侵略してくる大事件「8.31」が発生し、人類は大きな危機に直面する。しかし人々は侵略者に慣れてしまい、やがて宇宙船は日常の一部となった。いつ侵略されるか分からない危険な状況で、ヒロインたちは奇妙な青春を謳歌する。
おすすめポイント
鬼才・浅野いにおさんの意欲作。ぶっ飛んでます!浅野さんは「おやすみぷんぷん」や「おざなり君」など多くの問題作を世に放ってきましたが、本作も圧倒的にユニークな作品です。
基本的に画力はすごいですが、キャラクターの顔だけは漫画タッチで描かれています。なのでキャラだけが変に目立ちます。「複雑な背景vsシンプルな人物画」というギャップがすさまじい。
文明崩壊後でもなければ、荒廃した世界でもないんですが、「限りなく終末に近い世界」を描いていると思います。だって地球侵略の宇宙船が空に浮かんでいるわけですからね……。それなのに何もしないっていうのが面白いです。
青春ストーリーとしても読めるし、政治的なメッセージを含んだ風刺SFとしても読めます。圧倒的な才能が光る終末漫画でした。
「デッドデッドデーモンズデデデデストラクション」の感想・評価
「何を言いたいのかよく分からない」と感じるところもあります。色々な要素が詰めこまれているので複雑ですが、その複雑さも「作者の個性」として楽しむのがいいと思います。
15位 銀河の死なない子どもたちへ(全2巻)
🥉おすすめ度:80
★★★
生きるとは? 家族愛とは? 深い感動に包まれる終末ファンタジー
あらすじ
とうに文明が滅んだ星で生きる不死の子どもたち。永遠の命による終わらない日々のなかで、子どもたちは果てしない日常を過ごす。
おすすめポイント
何万年という壮大なストーリーのなかで、生きる意味を問う終末ファンタジー漫画。生とは何か。死とは何か。愛とは何なのか。荒廃した世界を舞台にして、多くのテーマについて考えさせられる作品です。
上下巻で完結していますが、特におすすめしたいのは下巻です。上巻だけ読んで「普通の漫画だな」と切り捨ててしまうのはもったいないと思います。
最後まで読んだあとは深い感動に包まれるはず。後世まで残すべき終末漫画だと思います。
「銀河の死なない子供たちへ」の感想・評価
上巻だけだと充分に楽しめません。下巻が本番といってもいいくらいなので、上下巻セットでの購入をおすすめします。
16位 北斗の拳(全27巻)
🥉おすすめ度:80
★★★
お前はもう死んでいる!最高に痺れるハードボイルド終末アクション
あらすじ
文明が崩壊した20世紀末。秩序が失われた終末世界で、ケンシロウは強敵との宿命的な戦いに巻き込まれていく。
おすすめポイント
80年代に大ブームとなったハードボイルド格闘アクション。怒り、悲しみ、愛を背負ってたたかい続ける主人公ケンシロウがかっこ良いです。ムキムキの悪党たちを倒して進み、弱肉強食の世界を生きぬく男のなかの男!
「お前はもう死んでいる」など数々の名言を生み出し、後世の格闘マンガにも大きな影響を与えた名作。終末もの作品を語るうえで、外すことのできないタイトルだと思います。
「北斗の拳」の感想・評価
同じような展開が繰り返されます。強敵が出てきては倒すというパターンなので、ストーリー重視の方にとっては物足りないかもしれません。
17位 鳥人大系(全2巻)
🥉おすすめ度:79
★★★
鳥たちが人類を支配する⁉︎ ゾッとするほど恐ろしい終末SFホラー
あらすじ
鳥類がいきなり進化し、やがて人間を支配するようになった終末世界。鳥たちは人類文明をコピーし、国家、宗教、経済、身分社会などをふくむ高度な文明をつくり上げる。この恐ろしい世界で、鳥類と人類は驚くべき運命をたどっていくことになる。
おすすめポイント
とにかく怖い手塚漫画です。そもそも「鳥が人類を支配する」というコンセプトが強烈すぎる。とんでもない発想ですよね。
とくに鳥たちが人類の文明をまねるところや、人間たちをコントロールするところはあまりにもダーク。読みながら寒気を感じるくらいです。思わずゾッとするような手塚マンガでした。
「猿の惑星」ならぬ「鳥の惑星」とでも呼ぶべき衝撃的なSF作品。恐ろしい手塚ワールドをぜひ堪能してください。
「鳥人大系」の感想・評価
メッセージ性が強いです。人類の文明を風刺するようなマンガなので、「説教くさい」と思う方がいるかもしれません。
18位 絶滅の島(全1巻)
🥉おすすめ度:78
★★★
宇宙人に襲われる離島。残酷でダークな終末SF
あらすじ
いきなり出現した宇宙人の攻撃により、人類がほとんどいなくなった終末世界。生き残っているのは「秘島ツアー」に参加していた27人だけだった。彼らは離島でひそかに暮らしていたが、ついに宇宙人がやって来て人間を襲いはじめる。
おすすめポイント
巨匠「藤子・F・不二雄」さんによるSF短編漫画。いつも「狩る側」にいる人間の立場を逆転させ、「狩られる側」の恐怖を描いた恐ろしいマンガです。
宇宙人たちが島を襲撃するシーンはとても生々しい。藤子先生って、短編になるとこういうダークな作品を描くんですよね……
人類に警鐘を鳴らすメッセージ性を感じました。見事なオチも含めて要チェックです。
「絶滅の島」の感想・評価
宇宙人による攻撃を描いているので、恐ろしいシーンもあります。要注意です。
19位 All You Need Is Kill(全2巻)
🥉おすすめ度:78
★★★
過酷なタイムループを生きのびろ!圧倒的な画力で魅せる終末SFアクション
あらすじ
「ギタイ」という敵に襲われている地球。主人公のキリヤ・ケイジは軍人として「ギタイ」と戦うが、そのなかで奇妙なタイムループに巻き込まれてしまう。繰り返される激闘のなかで、キリヤは敵を倒すためにあがきつづける。
おすすめポイント
すばらしく高品質な終末漫画です。まずコミカライズを担当したのが「DEATH NOTE」の小畑健さんなので、画力がすごくて圧倒されます。絶望ただよう風景。恐ろしい表情。細かくデザインされた機動ジャケット。いくらなんでも絵のレベルが高すぎる……
全2巻なのでコンパクトに読めるところもポイント。スピード感のある展開でムダがなく、イッキ読みで楽しめます。
トムクルーズ主演で映画化もされた名作です。圧倒的なクオリティをぜひ味わってください。
「All You Need Is Kill」の感想・評価
全2巻なので短いです。キャラクターや世界観の深掘りは不十分だと感じました。
20位 ファイアパンチ(全8巻)
🥉おすすめ度:78
★★★
絶望を生きろ!衝撃だらけのダークファンタジー神話
あらすじ
雪に覆われた過酷な世界。そこでは奇跡を起こすことのできる「祝福者」が存在する。その「祝福者」の1人である青年アグニは、生まれつき再生能力をもち、消えない炎に包まれながら生きている。その非情な運命のなかで、彼は苦しみとたたかい続ける。
おすすめポイント
狂気を感じる問題作。さまざまな点で規格外です。
まず驚くのは先読みできないストーリー。次にどうなるのか予想できません。「4回くらいジャンル変わったんじゃないの?」と思うほど何度も急展開があります。
過激な描写もすさまじく、少年ジャンプ+で連載されたとは思えないほどダーク。寒さ、飢え、悪意などがごちゃごちゃに混ざりあいます。
苦しい極限環境で「何のために生きるのか」と問い続けるキャラクターたち。自問自答を繰り返しながら、絶望を生きる世界観が衝撃です。
「ファイアパンチ」の感想・評価
ダークな要素が多めです。人間の汚いところがたくさん出てきます。
【Q&A】「連載中の終末漫画は?」などありそうな質問5選
ここでは、本記事を読んだ人が「これってどうなの?」と疑問に思いそうなポイントをまとめました。
Q. 連載中の終末漫画おすすめランキングは?
連載中の終末漫画については、以下のベスト5がおすすめです。詳しい紹介は省略させていただきますが、タイトルだけでも参考になれば幸いです。
連載中の終末漫画おすすめベスト5
1位「天国大魔境」
2位「ウスズミの果て」
3位「フールナイト」
4位「Thisコミュニケーション」
5位「リュシオルは夢をみる」
Q. 「終末もの」に似ているジャンルは?
「サイバーパンク漫画」は似ているジャンルだと思います。「荒廃した世界を描くSF」という意味で共通するテーマが多いので、終末ものが好きな人は要チェックです。
Q. 人気のサバイバル作品をまとめてほしい
人気ジャンルの一つである「終末サバイバル」に関しては、以下のベスト10がおすすめです。過酷な世界を生き抜くキャラクターから目が離せなくなるはず。
終末サバイバル漫画おすすめベスト10
1位「少女終末旅行」
2位「BLAME!」
3位「7SEEDS」
4位「Dr.STONE」
5位「ファイアパンチ」
6位「天国大魔境」
7位「がっこうぐらし!」
8位「アイアムアヒーロー」
9位「世界の終わりに紫犬と」
10位「終末ツーリング」
名作「進撃の巨人」も終末サバイバルを含みますが、ダークファンタジーやアクション要素が強いため、ベスト10からは除外しました。
Q. 今更だけど「ポストアポカリプス」って何なの?
ポストアポカリプス(post-apocalypse)とは「大災害の後」や「世界崩壊後」を意味する英単語です。まずapocalypseが主に「大災害」「終末」という意味で、そこにpost(〜の後)というパーツが付きます。
結論:「アポカリプス」+「ポスト」=「大災害」+「〜の後」=「終末」
Q. 漫画じゃなくてもいいから、面白い終末作品を知りたい。
以下の記事に「終末アニメおすすめランキング」をまとめました。本記事と重複するタイトルもありますが、漫画とアニメでは楽しみ方が違うので、きっと参考になると思います。
【まとめ】終末漫画のおすすめ20選【文明崩壊・荒廃した世界など】
さいごに「終末漫画のおすすめ20選ランキング」を一覧でまとめます。
どれも「文明崩壊」や「荒廃した世界」をテーマにした名作ばかりだと思います。
👑 殿堂入り(おすすめ度:91〜)
「風の谷のナウシカ」
🥇大傑作(おすすめ度:86〜90)
「少女終末旅行」
「火の鳥・未来編」
「AKIRA」
「ヨコハマ買い出し紀行」
「BASARA」
🥈傑作(おすすめ度:81〜85)
「BLAME!」
「新世紀エヴァンゲリオン」
「7SEEDS」
「Dr.STONE」
「銃夢」
「EDEN」
「ロジカとラッカセイ」
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」
🥉良作(おすすめ度:76〜80)
「銀河の死なない子どもたちへ」
「北斗の拳」
「鳥人大系」
「絶滅の島」
「All You Need Is Kill」
「ファイアパンチ」
とくに『少女終末旅行』と『ヨコハマ買い出し紀行』の2作品は、終末ワールドをたっぷり味わえるのでおすすめです。
すべて完結しているので一気読みできます。ぜひ荒廃した世界観に浸ってみてください。