面白さがギュッと詰まっている「1巻完結漫画」。
感動ドラマ、ミステリー、女性向け漫画、ホラー漫画など、さまざまなジャンルがありますよね。
1冊で終わる作品はサクッと読めますし、高密度なストーリーを楽しめるところが最高だなあと思います。
- おすすめの1巻完結漫画を知りたい
- 1冊で終わる傑作をサクッと楽しみたい!
- 感動系とか、ミステリーとか、ジャンル別にまとめてほしい
こんなふうに考えている人も多いと思うので、この記事では「1巻完結漫画おすすめ27選」を紹介します。
「これだけは読んでほしい」と思った高密度な傑作をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
【高密度】1巻完結漫画おすすめ27選【すぐに読み終わる傑作まとめ】
それではここから「1巻完結漫画おすすめ27選【すぐに読み終わる傑作まとめ】」を紹介していきます。
本記事の内容は以下のとおりです。
1. 傑作ベスト5
2. 感動ドラマ5選
3. 恋愛・少女漫画系4選
4. ミステリー・ホラー系6選
5. SF・ファンタジー5選
6. ドラマ・日常系2選
気になるジャンルがあればジャンプできるので、ぜひ活用してください(^^)
【傑作ベスト5】全力でおすすめしたい完結漫画5選
まずは全力でおすすめしたい「傑作ベスト5」を紹介します。
「これこそ1巻完結漫画の到達点だ」と言えるような傑作をまとめているので、ぜひ全作品読んでほしいです。
1位 さよなら絵梨(青春ドラマ)
🥇おすすめ度:87
★★★★★
あらすじ
重い病気に苦しんでいる母親から頼まれて、母の人生を映画として完成させたユウタ。ユウタはその映画を学校で上映するが、大きなブーイングを受けてしまう。そんな人生にうんざりして絶望していたところ、彼はエリという謎めいた女子に出会う。
おすすめポイント
映画監督になりたい少年が、ふしぎな少女・絵梨に出会う青春ドラマ。
とにかく作者・藤本タツキさんの映画愛がすごい。この漫画そのものが映画的で、紙面から「カメラワーク」を感じるような逸品でした。
とくに手持ちカメラで撮影しているかのようなシーンは臨場感バツグン。カメラのブレとかもあって、ほんとに映像を見ているような読書体験でした。
漫画というよりも「1本の映画」を観たような気分です。こんな天才的な逸品を1巻完結で楽しめるなんて、ほんとに贅沢だと思います。
◆「さよなら絵梨」の感想・評価
2位 ルックバック(青春ドラマ)
🥈おすすめ度:85
★★★★
あらすじ
小学4年生の藤野は、学校新聞に4コマ漫画を連載するほどの漫画好きで、まわりから「絵がうまい」と絶賛されていた。しかしある日、不登校の生徒である京本の漫画が連載されると、その圧倒的な才能に藤野は嫉妬する。
おすすめポイント
漫画家志望の2人の運命的な出会いを描いた青春漫画。
主要キャラクターである「藤野」と「京本」の関係性から目が離せません。性格的には正反対なペアと言ってもいいんですが、ふしぎな友情が素敵なんですよね。
そもそも、2人とも「漫画家志望」というのが面白いです。作者である藤本さんの実体験も踏まえて描かれているはずなので、すごくリアルに感じました。夢をめざす1つの青春ストーリーとして傑作だと思います。
友情、夢と現実、青春の光と影など、さまざまなテーマが詰め込まれてます。同じ作者の『さよなら絵梨』と合わせて、ぜひご一読ください。
◆「ルックバック」の感想・評価
3位 私たちの幸せな時間(恋愛・青年漫画)
🥈おすすめ度:84
★★★★
あらすじ
過去のトラウマに苦しむピアニスト・樹里は、生きることそのものに絶望していた。しかしある日、聖職者の叔母にすすめられ、囚人男性を訪ねてみることになった。人生そのものに悲観している2人は、やがてふしぎな絆で結ばれていく。
おすすめポイント
人生に絶望したヒロインと、囚人男性との出会いを描いた完結漫画。
とにかく悲劇的なバックストーリーが壮絶です。明かされる暗い過去には絶句するしかない…
「なぜ生きるのか?」「なぜ人生はこんなにもつらいのか?」という文学的なテーマについて考えさせられます。かなり陰鬱なので、簡単に「共感」とか「感情移入」とか言っちゃダメな気がするくらいです…
重苦しいトーンの傑作でした。1巻完結でこんなにも「人生」について考えさせられるのはほんとにすごいです。
◆「私たちの幸せな時間」の感想・評価
4位 ボーイミーツマリア(青春ドラマ・BL系)
🥈おすすめ度:83
★★★★
あらすじ
主人公である男子高校生・大河は、演劇部のマドンナであるマリアに一目惚れし、勇気を出して告白する。しかしマリアの正体は美少年・有馬優だった。戸惑う大河だったが、性別に関係なく、有馬について知ろうと努力する。
おすすめポイント
演劇部の美少年に一目惚れした男子高校生を描く青春ドラマ。
とにかくキャラクターの葛藤が伝わってきて胸打たれます。男子が男子を好きになるというジェンダーの悩みだけじゃなくて、複雑な家庭環境をめぐる「トラウマ」との闘いもすさまじいです。
好きな人を好きになるのがそんなにいけないことなのか? 性別がそんなに大事なのか?さまざまなことを考えさせられます。
もしBL系に対する偏見を持たれている方がいたら、それはもったいない。1つの青春ドラマとして手に取ってほしい傑作です。
◆「ボーイミーツマリア」の感想・評価
5位 蛍火の杜へ(恋愛・感動ドラマ)
🥈おすすめ度:82
★★★★
あらすじ
6歳の少女・ほたるは、森の中で迷子になった時、キツネの面をしたふしぎな少年と出会う。それ以来、彼女は毎年のように少年を訪れ、少しずつ彼に惹かれるようになる。
おすすめポイント
胸キュンエピソードが詰まった短編集。表題作の『蛍火の杜へ』は、ふしぎな少年とのラブストーリーを描いた傑作です。
とにかく切なすぎるんですよね…。悲しいほど美しい物語ですし、ヒロインの気持ちを思うといたたまれないです。
好きになった相手は半妖の少年で、決して触れることができない。どれだけ好きになっても、触れることはできない…
どこまでも純粋なラブストーリーに胸打たれます。まるで宝石みたいに美しい傑作。アニメ映画版も含めてチェックしてほしい恋愛漫画です。
◆「蛍火の杜へ」の感想・評価
【感動ドラマ】美しい物語に泣けるおすすめ漫画5選
ここからは、美しい物語に泣ける「感動ドラマおすすめ5選」を紹介します。
どれもハンカチの用意を忘れずに読んでほしい1巻完結漫画です。
1. 父の暦(感動ドラマ)
🥈おすすめ度:82
★★★★
あらすじ
主人公・陽一は、10年間音沙汰のなかった父が亡くなったことを知らされ、葬儀のために故郷・鳥取へ帰ることにする。両親の離婚もあり、父に対して良いイメージを持っていなかった彼だが、少しずつ父の本当の姿に迫っていく。
おすすめポイント
父の死を受けて10年ぶりに故郷へ帰る主人公が、地元や家族への想いに浸るストーリー。
心の奥まで沁みわたるヒューマンドラマです。父とのわだかまり、故郷への哀愁など、しみじみとした感情が込み上げてきます。
谷口ジローさんの作品は、漫画というよりも「小説」とか「映画」に近い感じがしますね。もっと言うなら「漱石の文学」や「小津映画」のような感じというか。
もはや芸術の領域です。こんなに上質なものを1巻完結で楽しめるのは、ほんとうに贅沢だと思います。
◆「父の暦」の感想・評価
2. 雪の妖精(恋愛ドラマ・BL系)
🥈おすすめ度:81
★★★★
あらすじ
北海道の田舎で暮らす春樹は、雪に覆われた田園地帯で孤独に暮らしていた。しかしある日、「雪の妖精」を撮るためにやって来たイケメン写真家・成美に出会い、少しずつ惹かれるようになる。
おすすめポイント
北海道の村で暮らす孤独な男性が、雪の妖精を撮るためにやってきたイケメン写真家に惹かれるストーリー。
とにかく「孤独」の描き方がうますぎる。繊細な表情、美しい風景、心温まる人間関係など、何もかもが心に響いてきます…
これはもうBL系とか関係なく、1つの感動ドラマとして完成度が高いですね。少しずつ絆を深めていく2人が楽しいし、心温まるし、すごく切ないです。
作品の素晴らしさにジャンルは関係ありません。素敵なヒューマンドラマを求めている方にはぜひ読んでほしいです。
◆「雪の妖精」の感想・評価
3. ワンルームエンジェル(感動・BL系)
🥈おすすめ度:81
★★★★
あらすじ
コンビニ店員の幸紀には、趣味も、友達もなく、生きる目的を失っていた。そんなある日、彼は不良に襲われて命を落としそうになるが、その時ふしぎな美しい天使と出会う。
おすすめポイント
生きる目的を失った主人公が、チンピラに襲われ、死の間際で「天使」と出会う感動ドラマ。
とにかく「優しい物語」です。生きていくことはつらいけど、それでも幸せを見つけようとするストーリーが素敵すぎる…
作品のテーマは暗いんですが、全体の雰囲気はむしろ明るいです。前向きに生きよう。お互いに助け合おう。ユーモアもあって楽しい読書体験でした。
人生を肯定してくれるような1巻完結漫画。気分が沈んでいる人に読んでほしい傑作です。
◆「ワンルームエンジェル」の感想・評価
4. 永遠のウィズ(感動ドラマ)
🥉おすすめ度:80
★★★
あらすじ
父の仕事のせいで引越しが多く、なかなか友達もできないヒロイン・瞳。彼女はある日、盲導犬を育てることにし、仔犬・アイの里親になる。やがてアイと瞳は深い絆で結ばれるようになるが、ずっと一緒にいられるわけではなかった。
おすすめポイント
ヒロインと盲導犬の絆を描いた感動ドラマ。
とにかく美しい絆に泣けます……。喜び、悲しみ、愛情など、読みながらあらゆる感情が込み上げてきました。
人間と犬の関係を描いた作品はたくさんあるんですが、展開が分かっていても感動しちゃいますね。本作の場合は、ヒロインの抱える寂しさとか、盲導犬の温かいサポートなどが身に沁みてきます。
犬を飼われている方は、私よりもっと感情移入できるはず。忘れずに「ハンカチ」を用意して読んでほしい傑作です。
◆「永遠のウィズ」の感想・評価
5. 幸せをあなたに(感動ドラマ)
🎖️おすすめ度:74
★★
あらすじ(幸せをあなたに)
死者の魂が集まる「来世くじ引き会場」。その会場に向かっていた傷だらけの少年は、制服を着た少女に声をかけられる。2人はお互いにつらい前世を思い出しながら、来世こそは幸せな家庭に生まれたいと願う。
おすすめポイント
アボガド6さんの作品を集めた15話の短編集。
とにかく切ないです。幸せとは何か、愛とは何かを考えさせられる物語ばかりでした。
とくに表題作の「幸せをあなたに」は秀逸。たった数ページのストーリーなのに、家族関係とか自己犠牲をめぐるメッセージ性があって、人生観が変わってしまうような深すぎる内容でした。
アボガド6さんのイラストや漫画は、X(旧:Twitter)でも見れます。そちらも含めてぜひチェックしてほしい作品です。
◆「幸せをあなたに」の感想・評価
【恋愛・少女漫画系】女性におすすめしたい4選
ここからは「恋愛・少女漫画系のおすすめ4選」です。
女性におすすめしたいラブストーリーを中心に選んでみました。
1巻完結のストーリーでも、深く胸打たれるような作品ばかりです。
1. テレワァク与太話(恋愛・女性漫画)
🥈おすすめ度:81
★★★★
あらすじ
ブラック企業で働くサラリーマンの残(のこる)は、テレワークのおかげで生活の質が向上する。そんなある日、残はバルコニーで隣人の大学院生・ナツに出会い、少しずつ惹かれあっていく。
おすすめポイント
コロナ禍のテレワークをきっかけに惹かれ合う2人のラブストーリー。
とにかく大人な恋愛漫画です。どのキャラクターも成熟していて、子どもっぽくないんですよね。ドタバタなラブコメディとは一味違います。
日常のなかで少しずつ惹かれあっていくところが尊い。とにかく味わい深い漫画で、女性の社会人の方におすすめしたい傑作です。
◆「テレワァク与太話」の感想・評価
2. 神様が嘘をつく。(恋愛・青春ドラマ)
🥉おすすめ度:79
★★★
あらすじ
東京から転校してきた11歳の少年・なつるは、サッカーチームのエースだが、クラスの女子から無視されていた。そんなある日、鈴村リオという女子クラスメートと出会い、小学生最後の夏、少しずつ惹かれあっていく。
おすすめポイント
小学6年生の少年少女が出会い、ふしぎな恋を深めていく恋愛漫画。
ふしぎな夏の青春ドラマです。普通は「青春」って言ったら中学生・高校生を思い浮かべると思うんですが、この漫画は「小学生」がテーマ。ちょっとだけ幼くてふしぎなムードを感じました。
でも、ただの子どもっぽいラブコメじゃありません。複雑な家庭環境、将来への不安、自然との関わりなど、想像以上に深いテーマが出てくる作品です。
ちょっと不思議な「ひと夏のラブストーリー」。しみじみと心に沁みてくる漫画でした。
◆「神様が嘘をつく。」の感想・評価
3. 友だちの話(少女漫画系・青春ドラマ)
🥉おすすめ度:78
★★★
あらすじ
ちょっと変わった性格のせいでなかなか友達ができなかった「もえ」は、英子という女子に出会って親友になる。しかしある日、もえに彼氏ができたことから、2人の友情関係はより複雑になっていく。
おすすめポイント
女同士の強い友情を描いた少女漫画系ヒューマンドラマ。
とにかく「もえ」と「英子」の関係から目が離せません。よくある型にはめたようなキャラクターじゃなくて、すごく個性的なんですよね。強烈な2人の化学反応にぐいぐい引き込まれます。
「女性の友情」を本気で描いた漫画って、意外と少ないんじゃないかと思います。恋愛をテーマにした少女漫画の中にも友情は出てきますが、この漫画ほど力強く描いている作品は珍しいです。
もえが男子からデートに誘われたとき、2人の友情の真価が試されます…。傷つきやすい思春期に支えあうストーリーが素晴らしかったです。
◆「友だちの話」の感想・評価
4. ほしのこえ(恋愛・SF)
🥉おすすめ度:78
★★★
あらすじ
美加子と昇は仲のいい男女だったが、ある日、美加子は自分が宇宙調査隊のメンバーに選ばれたことを告げる。それ以来、2人は携帯電話のメールのやり取りだけでつながるようになる。しかしメッセージが届くまでの時間はどんどん長くなり、2人の時間は大きくズレていく。
おすすめポイント
宇宙調査隊に選ばれた彼女との「超遠距離ラブストーリー」を描いた恋愛SF漫画。
まず「宇宙SF×遠距離ラブストーリー」というコンセプトが斬新。どんどん引き離されていく2人の恋が切ないです。
遠距離の恋愛ドラマはたくさんありますが、せいぜい「東京と地方」とか「日本とアメリカ」くらいのスケール感ですよね。でもこの漫画は「地球と宇宙空間」なんです。遠距離のレベルが違いすぎる……(笑)
佐原ミズさんの繊細な絵も胸に迫ってきます。切ないラブストーリーに心が痛む傑作でした。
◆「ほしのこえ」の感想・評価
【ミステリー・ホラー系】少し陰鬱だけど上質な6選
ここでは「ミステリー・ホラー系のおすすめ6選」を紹介します。
ちょっと陰鬱なテーマも含みますが、どれも上質な1巻完結漫画です。
1. 伊藤潤二 自選傑作集(ホラー)
🥈おすすめ度:81
★★★★
あらすじ(あやつり屋敷)
治彦の父は、あやつり人形劇の興行師として働いていた。しかし貧しく怪しい仕事内容のせいで、母や兄たちはどんどん父から離れていった。やがて父が亡くなると、治彦は兄の屋敷を訪れるが、そこに現れたのは魔術師の人形ジャン・ピェールだった。
おすすめポイント
伊藤潤二さんが選んだ傑作短編集。読み切り9編が収録されているホラー漫画。
とにかく贅沢な1冊としか言いようがないです。ホラー漫画界の巨匠である伊藤潤二さんの傑作をこんなに味わえるとは……
さまざまなエピソードがありますが、個人的なおすすめは「あやつり屋敷」です。ホラーと人形ってやっぱり相性良いですね(笑)。どのエピソードも奇妙なコンセプトなので、これまで味わったことのないような怖さを感じます。
こんなに恐怖が詰まった1冊はなかなかないですよ。ホラー漫画が好きならぜひ読んでほしい傑作です。
◆「伊藤潤二 自選傑作集」の感想・評価
2. 童夢(ホラー系)
🥉おすすめ度:79
★★★
あらすじ
超能力者の老人・チョウさんは、アパートの団地をひそかに支配していた。ある日、その団地の住人が20名以上亡くなる事件が発生し、警察は捜査に乗りだす。やがて超能力少女・悦子が団地に引っ越してくると、2人の超能力者による壮絶な戦いがはじまる。
おすすめポイント
「AKIRA」で知られる大友克洋さんの代表作。
とにかく不気味なシーンに圧倒される漫画です。空虚な団地の風景だけでも恐ろしいのに、それを破壊していく超能力のパワーがさらに恐ろしい・・・・・・
『AKIRA』もそうですが、大友さんの絵はすごく立体的でリアルなんですよね。例えば人物の顔のクローズアップの場合、汗の一粒一粒や、頬の凹凸まで細かく描かれていて、奥行きのある3次元空間を感じます。
上質なサスペンス映画のようなクオリティでした。とくに後半のバトルシーンは圧巻なので、高い画力を味わいたい人にはぜひ読んでほしいです。
◆「童夢」の感想・評価
3. きみにしか聞こえない(青春・ミステリー)
🥉おすすめ度:78
★★★
あらすじ
恥ずかしがり屋の女子高生・リョウは、携帯電話が欲しいあまり、頭のなかで空想の携帯電話をつくりだす。しかしある日、その空想電話がクラスの男子とつながり、2人の奇妙な絆が深まっていく。
おすすめポイント
「頭のなかで会話する」という奇妙なコンセプトの1巻完結漫画。
存在しない携帯電話で、まるでテレパシーみたいに会話するという設定がすごいです。その会話をきっかけにして、恥ずかしがり屋のヒロインと男子がつながっていく青春ドラマ。「もう一人じゃない」という安心感に胸打たれます…
正直なところ「ミステリー」の要素はそんなに強くないです。でも謎めいたところが多いですし、原作を書いた乙一さんはミステリー作家でもあるので、一応「ミステリー系統」の一種ではあると思います。
ちょっと謎めいた青春ドラマを求めている方はぜひ。切ない物語が心にグッとくるはずです。
◆「君にしか聞こえない」の感想・評価
4. 山羊座の友人(ミステリー・青年漫画)
🥉おすすめ度:76
★★★
あらすじ
男子高校生・ユウヤのベランダには、時々ふしぎなものが流れ着く。ある日、彼のベランダに「未来の新聞」が届き、クラスメイトの非行について予告されていた。はじめは信じなかったユウヤだが、ある日、犯罪に手を染めたクラスメイト・直人に遭遇する。
おすすめポイント
犯罪者となったクラスメイトに遭遇する青春ミステリー。
青春の暗い部分をテーマにした作品です。ショッキングな展開もあるんですが、複雑な事情を抱えたキャラクターに思わず感情移入しながら読みました。
どのキャラクターにもちゃんと「動機」があるんですよね。もちろん動機があるからといって悪行が許されるわけじゃないですが、丁寧なキャラクター描写が良かったです。
ミステリーというよりサスペンスに近いかもしれませんが、謎解き要素も楽しめます。切ないラストも含めて見届けてほしいです。
◆「山羊座の友人」の感想・評価
5. 11人いる!(SFミステリー)
🥉おすすめ度:76
★★★
あらすじ
宇宙大学の受験生であるタダトス・レーンは、「宇宙船で53日間過ごす」という最終試験を受ける。しかし宇宙船には、定員の10人よりも多い「11人の受験生」が乗り込んだ。ナゾの11人目をめぐって疑心暗鬼になりながらも、彼は53日間の試験を乗り越えようとする。
おすすめポイント
宇宙大学の試験に現れた「謎の11人目」をめぐるSFミステリー漫画。
SF漫画界の女王ともいえる萩尾望都さんの代表作。とにかく完成度が高くて、面白さ全快です。
・「11人目は誰なのか?」という謎
・宇宙船という閉鎖空間
・予想外のアクシデント
・緊張のタイムリミット
etc.
はじめて読んだ時には「これが70年代の少女漫画なの⁈」と大きな衝撃を受けました。ページをめぐる手が止まらないですし、美しいラストまで見届けてほしい傑作です。
◆「11人いる!」の感想・評価
6. 告白 コンフェッション(ミステリー)
🎖️おすすめ度:74
★★
あらすじ
登山仲間の浅井と石倉は、尾張山で事故に巻き込まれ、嵐の真っ只中で遭難してしまう。そこで自らの死を覚悟した石倉は、自分が過去に犯した恐ろしい罪を告白する。しかし山小屋を見つけたことで2人は一命を取り留め、告白後のぎこちない空気のなかで助けを待つことになる。
おすすめポイント
罪を告白してしまった男と、その友人を描く山岳ミステリー。
とにかく緊張感がすごくて、2人の男が疑心暗鬼になっていくストーリーに引き込まれます。思わず自白してしまった石倉と、その罪を知ってしまった浅井。お互いの胸中をさぐりあう空気のなかで、ドキドキハラハラの心理戦が繰り広げられます。
原作は「カイジ」で知られる福本伸行さん、作画は「沈黙の艦隊」や「ジパング」で知られるかわぐちかいじさん。2人のヒットメーカーがコラボしているので、「さすが」と言いたくなるような安定したクオリティでした。
1巻完結漫画なのでテンポがすごく良いですし、ぜひ一気読みで楽しんでほしいミステリー漫画です。
◆「告白〜コンフェッション〜」の感想・評価
【SF・ファンタジー】ふしぎな世界観に吸い込まれる5選
続いて「SF・ファンタジーのおすすめ5選」を紹介します。
ふしぎな世界観に吸い込まれそうになる1巻完結漫画をまとめました。
1. スターストリングスより(ファンタジー)
🥉おすすめ度:80
★★★
あらすじ
とある惑星で暮らす少女コロルは、自分が惑星でたった1人であることに気づき、強い孤独感におそわれる。そんなある日、彼女は宇宙まで伸びる赤い糸を見つける。その先に誰がいるのかを確かめるため、コロルは壮大な宇宙の旅に出発する。
おすすめポイント
惑星でたった1人だった少女が、宇宙まで伸びる赤い糸を登りはじめるファンタジー漫画。
まるで美しい童話のような冒険ファンタジーでした。『メイドインアビス』でも知られるつくしあきひとさんの作品で、ふしぎな世界観とストーリーに魅了されます。
この漫画の注目ポイントは「孤独感」だと思います。ずっと1人だった少女が赤い糸を登りはじめるんですが、なかなか他の人間に出会えません。孤独との闘い、未知への恐怖など、さまざまな感情が伝わってきます。
絶望と希望のあいだで揺れ動く傑作。 SFファンタジーや童話が好きな人におすすめしたいです。
◆「スターストリングスより」の感想・評価
2. 虫と歌(ファンタジー)
🥉おすすめ度:79
★★★
あらすじ(虫と歌)
男子高校生である「うた」は、妹のハナと協力し、昆虫について研究する兄のコウを手伝っていた。しかしある日、捨てられた虫が「シロウ」という少年として現れ、この世界や昆虫研究について多くのことを教えるようになる。
おすすめポイント
『宝石の国』でも知られる市川春子さんの短編集。
とにかく美しい世界観にたっぷり浸れます。静かで、繊細で、ちょっとふしぎなエピソードの数々。この想像力はほんとにすごいなと思います。
微妙なニュアンスとか、感受性の描き方が絶妙なんですよね。うまく言葉にできないんですが「人生のはかなさ」みたいなものを感じます。静謐で美しいです。
決してハッピーな物語ではないけど、引き込まれます。吸い込まれるような世界観を求めている方はぜひ。
◆「虫と歌」の感想・評価
3. ひきだしにテラリウム(SFなど)
🥉おすすめ度:78
★★★
あらすじ(ひきだし)
とある廃屋には、壁一面に並んだ大きな棚があった。その棚の引き出しには、ふしぎな「テラリウム」が収まっている。
おすすめポイント
九井諒子さんの短編集。33作品も詰まったショートショートです。
とにかく発想力がすごい。コメディ、SFファンタジー、童話など、あらゆるジャンルの短編が詰まってます。
どれも斬新なアイディアばかりですし、秀逸なオチにびっくりします。奇妙だけどクセになる傑作ぞろいなので、さまざまな起承転結を楽しみたい人におすすめです。
◆「ひきだしにテラリウム」の感想・評価
4. 銀の三角(SF・ファンタジー)
🎖️おすすめ度:75
★★
あらすじ
特殊な能力をもつ人々が住む惑星・銀の三角。そこに生きる部族たちは独自の音楽や予知能力をもっていたが、星の崩壊とともに消えたはずだった。しかしその消滅から3万年後、彼らの子孫が再び姿を現し、数万年の時空をめぐるストーリーが展開する。
おすすめポイント
惑星「銀の三角」をめぐるSFファンタジー。
とにかく摩訶不思議な世界観がすごいです。時間移動、クローン、消えたはずの種族、時空のゆがみ、輪廻転生など、ワクワクするような要素をたくさん楽しめます。
SFとファンタジーが神秘的に融合していて、言葉にならないような魅惑があるんですよね。1つ1つのコマが幻想的で美しいですし、思わずため息の出るような読書体験でした。
◆「銀の三角」の感想・評価
5. ロストワールド(SF)
🎖️おすすめ度:74
★★
あらすじ
太古の地球からちぎれた惑星・ママンゴ星が、500万年ぶりに地球に接近してきた。ママンゴ星から落ちてきた石のエネルギーを使って「探検隊」を編成したケンイチたちは、恐竜や植物に支配された太古の世界「ロストワールド」へ冒険の旅に出る。
おすすめポイント
1940年代に発表された手塚治虫先生のSF漫画。
とにかく冒険のワクワク感がすごいです。ストーリーのテンポが良くて、面白いアイディアが次から次へと出てきます。
・植物から生まれた美少女
・怪しい秘密結社
・生い茂る太古の植物
・突然襲いかかってくる恐竜
etc.
SFとしても、コメディとしても、冒険活劇としても最高の面白さでした。
欠点があるとすれば「絵のタッチが古い」という点ですが、それを補って余りある面白さです。エンターテイメントに必要な要素がこれでもかと詰め込まれている高密度な漫画でした。
◆「ロストワールド」の感想・評価
【日常・ドラマ系】哀愁ただようおすすめ2選
続いて「日常・ドラマ系のおすすめ2選」を紹介します。
どちらも哀愁ただようヒューマンドラマです。
1. 惑星9の休日(SF・日常系)
🥉おすすめ度:76
★★★
あらすじ(惑星9の休日)
辺境の小さな星・惑星9。自転の影響で北極が「永久影」と呼ばれる夜の状態にあり、そこには凍りついた町の遺跡がある。しかしある日、隕石が落下し、惑星9の環境は大きく変化してしまう。
おすすめポイント
惑星9に生きる人々の日常を描いたSFヒューマンドラマ。
異惑星を舞台にしたシュールな短編集です。砂漠のような風景で奇妙なストーリーが展開します。
切ない話、ユーモアを感じる話、寂しい話など、さまざまなエピソードを楽しめます。SFヒューマンドラマと書きましたが、本格SFというよりも、「すこし・ふしぎ」という意味でのSFに近いですね。
もの悲しさに浸れるショートショート。どれも気軽に楽しめるのでおすすめです。
◆「惑星9の休日」の感想・評価
2. not simple(ヒューマンドラマ)
🥉おすすめ度:76
★★★
あらすじ
主人公・イアンは、再会の約束をした姉に会うため、イギリスやアメリカなどの諸外国を旅していた。しかしある日、アイリーンという名の少女が抱えたトラブルに巻き込まれ、イアンに不幸な悲劇が降りかかる。
おすすめポイント
複雑な家庭環境をもう主人公・イアンが、家族のぬくもりを求めて外国を旅するヒューマンドラマ。
とにかく悲しくていたたまれない物語です。主人公はただ「家族のぬくもり」を求めているだけなのに、どうしてこんなにも報われないのか……
読みながら「ほんとに人生ってうまくいかないよなぁ」と感慨に浸ってしまうような作品です。憂鬱なトーンに心が痛みますが、完成度の高い人生ドラマでした。
◆「not simple」の感想・評価
【まとめ】1冊で終わる完結漫画は傑作だらけ
以上が「1巻完結漫画おすすめ27選」でした。こうして記事にまとめてみると、改めて単巻作品の素晴らしさを感じますね。
紹介した漫画を「おすすめ度」ごとにまとめると、こんな感じになります。
🥇大傑作(おすすめ度:86〜90)
さよなら絵梨(青春)
🥈傑作(おすすめ度:81〜85)
わたしたちの幸せな時間
ルックバック(青春)
ボーイミーツマリア(感動ドラマ・BL系)
蛍火の杜へ(恋愛・ファンタジー)
父の暦(感動ドラマ)
雪の妖精(恋愛・BL系)
ワンルームエンジェル(感動ドラマ・BL系)
テレワァク与太話(恋愛・女性漫画)
伊藤潤二 自選傑作集(ホラー)
🥉良作(おすすめ度:76〜80)
永遠のウィズ(感動ドラマ)
童夢(ホラー系)
神様が嘘をつく(恋愛)
友達の話(少女漫画系)
ほしのこえ(恋愛・SF)
きみにしか聞こえない(ミステリー・青春)
山羊座の友人(ミステリー・青春)
11人いる!(SF・ミステリー)
スターストリングスより(SF・ファンタジー)
虫と歌(ファンタジー)
ひきだしにテラリウム(SF・ファンタジーなど)
惑星9の休日(SF・日常系)
not simple(ヒューマンドラマ)
🎖️入選(おすすめ度:〜75)
告白〜コンフェッション〜(ミステリー)
幸せをあなたに(感動ドラマ)
銀の三角(SF・ファンタジー)
ロストワールド(SF)
結論としては「まず『さよなら絵梨』を読んで!」ということですね(笑)。
まあ『さよなら絵梨』に限らず、どれも高密度なストーリーを楽しめるので、気軽に傑作を楽しみたい人はぜひチェックしてみてください。