
常識から少しずれた会話や、意味の分からない展開に思わず笑ってしまうシュールな漫画。
いつもの日常が突然おかしな方向へ進んだり、登場人物だけが真顔であり得ないことを話したり。シュールな笑いには、派手な勢いだけでなく、静かな間から生まれる面白さもあります。
自分の好みに合う作風を見つけると、何度も読み返したくなります。
- 何が起こるか分からない不条理ギャグを読みたい
- 脱力するような会話や独特の間を楽しみたい
- 笑いの種類が違うシュール漫画をまとめて知りたい
こんな悩みを解決するために、この記事ではシュールな漫画おすすめ22選をご紹介します。不条理・ナンセンス、カオス・ハイテンション、脱力・会話の3タイプに分け、笑いのポイントを具体的に紹介します。
【不条理・ナンセンス】シュールな漫画おすすめ7選
まずは、【不条理・ナンセンス】シュールな漫画おすすめ7選をご紹介します。読者の予想をずらしたり、意味が分からないまま話が終わったりする、奇妙な感覚が魅力の作品です。
1. 日常
🥈おすすめ度:84
★★★★
女子高生とロボットの毎日に紛れ込む、予想外の大騒動
あらすじ
時定高校へ通う相生祐子、長野原みお、水上麻衣は、授業や通学の時間を一緒に過ごしている。一方、東雲研究所では少女の姿をしたロボット・なのと幼い博士、しゃべる猫が暮らしていた。
誰かが宿題を忘れたり、友達と遊んだりするだけの話が、予想外の騒動へ発展することも多い。学校と研究所の日常を短いエピソードでつなぎながら、奇妙で賑やかな毎日を描く。
おすすめポイント
『日常』は、ありふれた出来事のスケールを突然大きくしてしまう笑いが魅力です。ゆっこが小さな失敗をしただけなのに、まるで世界の危機のように描かれることがあります。笑いの原因と演出の落差がとても大きいです。
あらゐけいいちさんの漫画は、静かなコマが続いた直後に激しい動きを挟むのが巧みです。みおが感情を爆発させる場面も、麻衣が淡々と意外な行動をする場面も、キャラクターの性格から笑いが生まれます。
東雲研究所の優しい雰囲気が、学校の賑やかさと対照的なのも面白いところ。短い話から読めるので、途中の一話だけでも楽しめます。シュールな日常と勢いのあるギャグを両方味わいたい方におすすめです。
2. 女の園の星
🥈おすすめ度:83
★★★★
女子校教師と生徒の何げない会話に潜む、静かな違和感
あらすじ
女子高校で国語を教える星先生は、落ち着いた性格で生徒たちと接している。職場には同僚の小林先生がいて、二人は授業や学校行事、職員室の日常をともに過ごす。
生徒たちは学級日誌や絵しりとりなど、何気ない遊びや会話を持ち込み、星先生を少しずつ巻き込んでいく。先生たちは大事件が起きているわけではないのに、思わず考え込んでしまうような騒動へ向き合うことになる。
おすすめポイント
『女の園の星』は、真面目な先生が本気でくだらないことに悩む場面が絶妙です。生徒が描いた絵や何気ない言葉の意味を、星先生が深刻そうに考える。その表情だけでおかしくなってしまいます。
和山やまさんの人物描写は、感情を大げさに表現しないのに、会話の間から考えていることが伝わります。同僚の小林先生とのやり取りも、気心の知れた大人同士の温度感が面白いです。
大きな事件を次々に起こす漫画ではなく、学校という日常のなかにある奇妙さを拾う作風なので、静かなギャグが好きな方におすすめ。毎話を少しずつ読みたくなる作品です。
3. 伝染るんです。
🥉おすすめ度:80
★★★
かわうそ君と奇妙な仲間たち。説明を拒む四コマの不条理
あらすじ
かわうそ君やかっぱ君など、姿も考え方も少しおかしなキャラクターたちが、何気ない会話を繰り広げる四コマ漫画。普通のギャグなら最後に分かりやすいオチが来るところでも、登場人物は思いがけない行動を取り、話は唐突に終わることがある。
会話は日常的な言葉で進むのに、なぜそんな結論になるのかは簡単に説明できない。不思議な空気と間を重ねた吉田戦車さんの代表作。
おすすめポイント
『伝染るんです。』の面白さは、笑いの理由を丁寧に説明しないところです。普通ならオチへ向かって説明が増えるのに、唐突な一言や変な行動で終わるので、読者の方がしばらく考えてしまいます。
この言葉にできない違和感がクセになります。
かわうそ君たちは、人間の常識が通じるようで通じない存在です。絵柄もすっきりしているため、奇妙な光景がなおさら目立ちます。四コマという短い形式なのに、世界全体が少しずれて見える感覚が残るところが魅力です。
勢いのあるツッコミや大げさな表情だけを求める方には物足りないかもしれませんが、不条理そのものを味わいたい方には最初におすすめしたい作品です。
4. しめじシミュレーション
🥉おすすめ度:80
★★★
しめじ頭の少女が出会う、穏やかで奇妙な日常
あらすじ
引きこもり気味の生活を送っていた少女・月島しじまは、頭にしめじが生えた不思議な姿で学校へ通うようになる。そこで卵焼きのようなものを頭に載せた少女・山下まじめと出会い、二人は日々の出来事について話し始める。
学校や町で起こることは一見普通だが、よく見ると世界の仕組みが少し変わっている。二人は不思議な景色に戸惑いながら、日常を送ろうとする。
おすすめポイント
『しめじシミュレーション』は、何も起こらないような時間が、いつの間にか現実離れしていくところに引き込まれます。しじまとまじめの会話は落ち着いていて、変わった世界を大げさに説明しません。
その静けさが逆に不思議な気持ちを強めます。
つくみずさんの描く街並みは簡素なのに、空間の広さや物の配置に独特の感覚があります。何気ないコマを眺めていると、日常の見え方が少しずつ変わるようです。
ギャグに笑ったあと、ふと哲学的な問いが残ることもあります。分かりやすい物語の答えを求めるより、奇妙な世界のなかで少女たちの会話を楽しみたい方におすすめ。
『少女終末旅行』が好きな方にも気になる作風だと思います。
5. ギャグマンガ日和
🥉おすすめ度:80
★★★
偉人も動物も容赦なくギャグの世界へ。歴史を自由に崩す高速短編
あらすじ
歴史上の人物や昔話の登場人物、現代の人々を自由に扱った短編ギャグ漫画。聖徳太子や松尾芭蕉など、名前を知っている人物が登場しても、教科書で学んだような行動を取るとは限らない。
とぼけた発言がきっかけで話が大きく脱線し、周囲が必死にツッコミを入れることも多い。一編ごとに舞台や主人公が変わり、予測不能な笑いが次々と現れる。
おすすめポイント
『ギャグマンガ日和』の魅力は、知っている人物を想像できないほど変えてしまう発想です。偉人の名前だけは立派なのに、言動がとんでもなくくだらない。歴史の知識があると余計におかしく見える場面もあります。
増田こうすけさんの台詞はテンポが速く、ツッコミの鋭さが作品全体の勢いを作ります。短いエピソードなのに話題が何度も変わり、最後まで何が起こるか分かりません。
絵柄もわざと力を抜いたような場面があり、真剣な表情との落差に笑わされます。難しい設定を覚える必要がないので、少しだけ読みたいときにもぴったり。
意味が分からなくても笑ってしまうナンセンス漫画を探す方におすすめです。
6. すごいよ!!マサルさん
🥉おすすめ度:80
★★★
セクシーコマンドー部に巻き込まれた少年。奇妙な言葉と勢いが爆発する学園ギャグ
あらすじ
普通の学校生活を送ろうとしていた少年・藤山起目粒は、奇妙な同級生・花中島マサルと出会う。マサルは「セクシーコマンドー」と呼ばれる謎の格闘技を語り、学校に変わった部活動を作ろうとする。
そこへ個性豊かな生徒たちが集まり、理解しにくいルールや言葉を真剣に受け止める騒動が起こる。起目粒は常識的な反応をするほど、マサルたちの世界へ引きずり込まれていく。
おすすめポイント
『すごいよ!!マサルさん』は、意味不明なことを堂々と言い切る勢いが魅力です。マサルは誰も知らない言葉や動作に絶対の自信を持っているため、周りの人の方が戸惑います。
その結果、普通の学園生活がどんどんおかしくなります。
うすた京介さんの漫画は、台詞だけでなくコマの切り方も独特で、予想したタイミングとは少し違うところで笑いが来ます。妙なポーズや急に冷めた表情も、説明できない面白さがあります。
昔の週刊少年ジャンプのギャグ漫画を知る方には懐かしく、初めて読む方には新鮮に感じられるかもしれません。変なルールのある世界をそのまま楽しめる方におすすめしたい作品です。
7. ふうらい姉妹
🥉おすすめ度:76
★★★
真顔の美人姉妹が繰り広げる、ゆるくて奇妙な勘違い
あらすじ
姉の山本れい子と妹のしおりは、外見は整っているのに、話し始めると少し変わった考え方が顔を出す姉妹。日常の買い物や人との交流でも、二人は普通の人とは違う発想で行動する。
周囲の人が戸惑っていても本人たちは真剣なので、ささいな出来事が思わぬ方向へ進んでいく。劇的な事件が起こるより、姉妹の会話や思い込みが面白さの中心になっている短編コメディ。
おすすめポイント
『ふうらい姉妹』は、本人たちが笑わせようとしていないのにおかしいところが好きです。姉妹は真面目に考えているのに、常識と少し違う答えを出します。
そのずれを周囲がすぐに訂正しないので、変な空気が長く残ります。
長崎ライチさんの絵は美しい少女漫画のような雰囲気を持っていて、奇妙な言動との落差が大きな魅力になっています。短いエピソードでもキャラクターの性格がよく出ていて、一話だけでも笑えます。
派手な顔芸や大声のツッコミを求めると少し物足りないかもしれませんが、会話の間や勘違いを楽しみたい方におすすめです。全4巻で完結しているので、短めのシリーズを読みたい方にも合うと思います。
【カオス・ハイテンション】シュールな漫画おすすめ9選
続いて、【カオス・ハイテンション】シュールな漫画おすすめ9選をご紹介します。超能力やバトル、強烈なキャラクターを使い、予想を超える勢いで笑わせる作品です。
1. ヒナまつり
🥈おすすめ度:85
★★★★
超能力少女とヤクザの同居が生む、爆笑と人情
あらすじ
若手ヤクザの新田義史が自宅でくつろいでいると、突然、謎の装置とともに少女・ヒナが現れる。ヒナは強力な超能力を使えるが、家事も生活の常識もよく分かっていない。
新田は彼女に振り回されながらも、何とか同居生活を始めることになる。周囲にはほかの能力者や友人たちも現れ、学校や仕事を巻き込んだ騒動が次々に起こる。超能力と普通の暮らしが噛み合わない日々を描く。
おすすめポイント
『ヒナまつり』は、とんでもない設定を真面目な生活問題へ落とし込むところが面白いです。強力な超能力があっても、ヒナはご飯を食べたいし、新田は仕事や家事をこなさなければなりません。
スケールの大きな能力と家庭の小さな問題がぶつかるのが笑えます。
新田のツッコミだけでなく、周囲の人物が想像を超える行動を取るので、話の方向が毎回読めません。大武政夫さんの漫画は人物の無表情や間の使い方も絶妙です。
一方で、困っている人を助ける話など、ふいに温かい気持ちになる場面もあります。ギャグだけを期待していても、人間関係の変化へ引き込まれるのが魅力です。
予測不能な笑いと人情ドラマの両方を楽しみたい方におすすめです。
2. 斉木楠雄のΨ難
🥈おすすめ度:84
★★★★
万能の超能力者が振り回される、騒々しい日常
あらすじ
あらゆる超能力を使える高校生・斉木楠雄は、誰にも邪魔されず普通の生活を送りたいと考えている。しかし同級生の燃堂力や海藤瞬、照橋心美たちは、斉木が望む静かな時間を次々に乱してしまう。
斉木は強い能力を使って騒動を避けようとするものの、問題を解決すればまた違う事件が起こる。学校や家で繰り広げられる小さなエピソードを通じて、超能力者の面倒な日常が描かれる。
おすすめポイント
本作の笑いは、どんな問題も解決できるはずの主人公が、まったく自由になれないことから生まれます。斉木は心の声で周囲へ冷静なツッコミを入れますが、相手はその考えを知りません。
ひとりだけ状況を理解しているのに、どうにもできないところが面白いです。
燃堂の単純な言動や海藤の思い込みは、斉木の能力でも予想外の方向へ進みます。麻生周一さんの漫画はテンポがよく、短い場面のなかにボケとツッコミが詰め込まれています。
登場人物の関係を覚えるほど笑える場面が増えていくのも魅力です。勢いはありつつ主人公の語り口は落ち着いているので、学園コメディの軽快なシュールさを楽しみたい方におすすめです。
3. ボボボーボ・ボーボボ
🥉おすすめ度:80
★★★
鼻毛真拳で敵と戦うヒーロー。毎ページ常識を壊すカオスなバトルギャグ
あらすじ
世界を支配する勢力によって人々の髪が狙われるなか、主人公のボボボーボ・ボーボボは「鼻毛真拳」という謎の技を使って戦っている。
ボーボボの周囲には、首領パッチやところ天の助など、変わった仲間たちが集まっていた。敵と遭遇すると一応バトルが始まるが、真剣な戦いの途中でも唐突なギャグや予測不能な変身が飛び出す。
おすすめポイント
筋の通った世界観より、次の瞬間に何が起こるか分からない勢いが続いていく。
『ボーボボ』は、戦闘の途中でもギャグが別のルールへ飛び移るところが圧倒的にシュールです。敵が格好よく技を出しても、ボーボボは全く違うことを始めてしまう。
読者が想像した展開を次々に裏切るので、考える前に笑ってしまいますよね。
澤井啓夫さんの漫画は、勢い任せに見える一方で、キャラクター同士の役割やツッコミの順番にも工夫があります。首領パッチが場を荒らし、ビュティが驚くという定番の関係があるからこそ、さらに変な展開にもついていけるんだと思います。
理屈が通るギャグだけを好む方には合わないかもしれませんが、ページをめくるたびに常識が壊れる漫画を読みたい方におすすめです。
4. あそびあそばせ
🥉おすすめ度:80
★★★
美少女たちの優雅な部活動のはずが、顔芸と毒舌が暴走する学園コメディ
あらすじ
女子中学生の本田華子、オリヴィア、野村香純は、遊びを研究する「遊び人研究会」で一緒に過ごすことになる。見た目は上品でかわいらしい少女たちだが、遊びの勝敗やささいな会話で本気になり、思いがけない行動を取ることが多い。
普通の遊びや学校生活の話題が、突然大げさな騒動へ発展する。三人の性格の違いがぶつかり合いながら、予想できない学園コメディが続いていく。
おすすめポイント
『あそびあそばせ』では、きれいな少女漫画のような絵と、容赦のないギャグ顔の落差が強烈です。最初は静かに話していても、負けたくない気持ちが爆発した瞬間に表情が大きく変わります。
三人とも引き下がらないので、話がどんどん変な方向へ進んでいきます。
涼川りんさんの描く顔の崩し方や台詞の勢いは、短いエピソードでも大きな笑いを生みます。華子の負けず嫌いなところや、香純の思い込み、オリヴィアの独特の立ち位置も個性として際立っています。
下品さを含むネタもあるので好みは分かれますが、上品な見た目にだまされてはいけない作品です。友達同士の悪ふざけを極端にした笑いが好きな方におすすめです。
5. 魁!!クロマティ高校
🥉おすすめ度:80
★★★
不良だらけの高校にロボットや謎の男がいる。誰も驚かない脱力ギャグ
あらすじ
普通の高校生だった神山高志は、不良たちが集まるクロマティ高校へ入学する。周りには迫力のある生徒が多いが、話し始めるとどこか考え方がずれている者ばかり。
なかには機械のような生徒・メカ沢や、素性の知れないフレディまで、説明のつかない存在もいる。神山は奇妙な学校生活へ戸惑いながらも、同級生たちと関わっていく。
おすすめポイント
怖そうな外見と妙な日常を組み合わせた不良漫画パロディ。
この作品が面白いのは、誰が見てもおかしい光景を登場人物が普通に受け入れていることです。メカ沢が堂々と学校にいても、周囲は大げさに騒ぎません。
読者だけが「なぜ?」と考えてしまうので、その温度差が笑いになります。
野中英次さんの絵は人物が真顔でいる場面が多く、変な会話が妙に真面目に見えます。怖いはずの不良たちが、実際にはくだらないことに悩んでいるのも魅力です。
大きな事件が起こるより、普段のやり取りのずれを楽しむ作品なので、短く読んでも笑えます。昔の不良漫画を知らなくても楽しめますが、ジャンルの約束事を知っているとさらにおかしく感じられると思います。
6. 吸血鬼すぐ死ぬ
🥉おすすめ度:79
★★★
すぐ灰になる吸血鬼と退治人の、弱さが生むギャグ
あらすじ
吸血鬼退治人のロナルドは、恐ろしい吸血鬼の城へ赴くが、そこにいたドラルクは少しの刺激ですぐ灰になってしまう弱い吸血鬼だった。
ロナルドはドラルクの予想外の性格や行動に振り回され、やがて二人は同じ事務所で暮らすことになる。周囲には変わった吸血鬼や退治人たちが次々に現れ、町は騒動の絶えない場所へ変わっていく。
おすすめポイント
強そうな設定を裏切るギャグが中心の作品。
『吸血鬼すぐ死ぬ』の魅力は、怖いはずの吸血鬼があまりにも弱いところにあります。ドラルクは格好をつけても簡単に灰になり、ロナルドは毎回ツッコミに忙しい。
反復されるギャグなのに、状況を変えることで新しい笑いが生まれます。
ドラルクとロナルドは性格が噛み合わないのに、奇妙な共同生活を続けています。その関係が少しずつ馴染んでいくのも見どころです。盆ノ木至さんの漫画は台詞のテンポが速く、脇役の出番にも予想外の面白さがあります。
すべての吸血鬼が恐ろしい敵というわけではない世界なので、気軽な妖怪コメディとして読めると思います。勢いのある掛け合いと定番の反復ネタが好きな方におすすめです。
7. 異世界おじさん
🥉おすすめ度:78
★★★
異世界帰りのおじさんが語る、セガ愛と世代ギャップ
あらすじ
長い昏睡状態から目を覚ました叔父は、甥のたかふみへ、自分が異世界で冒険していたと語り始める。最初は信じられない話だったが、おじさんは魔法を使うことができ、冒険の記録まで見せてくれる。
異世界での彼は外見のせいで誤解されたり、出会った人との会話が噛み合わなかったりしたらしい。たかふみは現代の生活を教える一方、おじさんが語る残念な冒険に驚いていく。
おすすめポイント
『異世界おじさん』は、普通なら格好よい英雄譚が、本人の鈍さで変な話になるところが面白いです。おじさんは強い魔法を使えるのに、人の好意や感情を理解するのは得意ではありません。
甥のたかふみが話を聞きながら驚く姿も、読者の反応と重なります。
さらにおじさんは昔のセガのゲームへ強い愛着を持っていて、現代のネット文化との違いにも笑いが生まれます。異世界と現代の場面を行き来するので、ひとつのエピソードでも違う種類のギャグを楽しめます。
殆どの冒険が本人の説明で語られるところも独特で、事実と解釈のずれが面白さにつながっています。異世界ものを見慣れた方ほど楽しめる変化球だと思います。
8. ポプテピピック
🥉おすすめ度:78
★★★
二人の少女が常識も作品の形式も壊す。パロディが飛び交う破壊的四コマ
あらすじ
小柄なポプ子と背の高いピピ美の二人が、さまざまな場所で好き放題に振る舞う短編ギャグ漫画。学校生活や日常の出来事が描かれることもあるが、次の瞬間にはゲームやアニメのパロディ、唐突な暴言や意味の分からない展開が飛び込んでくる。
登場人物に一貫した目的があるわけではなく、四コマという短い形式で読者の予想を裏切り続ける。大川ぶくぶさんによるシュールギャグ作品。
おすすめポイント
『ポプテピピック』は、何を読まされているのか分からない感覚自体が面白さになっています。ポプ子とピピ美は場面に合わせて態度を変えるので、前の四コマとのつながりを考えても仕方がありません。
そんな自由さに笑ってしまいます。
ゲームやアニメのパロディ、ネット文化を思わせる表現が次々に登場し、元ネタを知っている方には違う楽しさもあります。一方でネタの意味を知らないと笑いが伝わりにくい回もあるため、好みは分かれそう。
絵柄のかわいらしさと発言の乱暴さの差も大きな特徴です。読者の常識をわざと壊すようなカオスな漫画を探している方におすすめしたいと思います。
9. カッコカワイイ宣言!
🎖️おすすめ度:70
★★
過剰な自意識と独特の顔芸で突き進む、変則ギャグ
あらすじ
顔のパーツが妙に中心へ寄ったキャラクターたちが、学校や日常のさまざまな場面で騒動を起こすギャグ漫画。登場人物の多くは自分の格好よさやかわいさに強い自信を持ち、周囲からどう見えるかを気にしている。
ところが、その言動はほかの人の反応と噛み合わず、話はいつも変な方向へ進んでいく。特徴の強い絵柄と短い掛け合いを使い、思い込みの激しさを笑いへ変える作品。
おすすめポイント
本作の魅力は、自分だけは格好よいと思っている人の自信が、すぐにおかしな方向へ転ぶところです。登場人物は何かを決めたように話しても、周囲の人は同じように受け止めません。
その温度差だけで笑える場面が多いです。
地獄のミサワさんの極端な顔の配置は、一目見た瞬間から作品の世界観を伝えます。大きなストーリーより短い台詞と表情で笑わせる構成なので、途中からでも読めます。
ネットで見かける自意識の強い言葉や、妙に遠回しな自慢を思わせるネタもあり、現代的な可笑しさがあります。変な表情や繰り返される自慢のギャグにハマる方におすすめです。
【脱力・会話】シュールな漫画おすすめ6選
最後は、【脱力・会話】シュールな漫画おすすめ6選をご紹介します。派手な事件が少なくても、人物の真面目な表情や言葉のずれから笑いが生まれる作品です。
1. ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ
🥈おすすめ度:84
★★★★
小さくてかわいい生き物たちの毎日。労働や危険もある不思議な世界
あらすじ
小さな生き物・ちいかわは、友達のハチワレやうさぎとともに、さまざまな仕事や遊びを経験している。彼らが暮らす世界にはおいしい食べ物や楽しい景色がある一方、生活のために働いたり、危険な存在から逃げたりしなければならない場面もある。
ちいかわは怖がりながらも友達と助け合い、日常の小さな幸せを大切にしている。かわいさと不穏な出来事が同居する短編連作漫画。
おすすめポイント
『ちいかわ』の魅力は、かわいい姿の裏に、妙に現実的な暮らしがあるところです。勉強をしたり、仕事をしたり、何かに失敗して落ち込んだり。
ちいかわたちの行動は小さな生き物のものなのに、大人の生活も連想させます。
ナガノさんの絵は表情が分かりやすく、短い台詞だけでも友達を思う気持ちが伝わります。その一方で、何が起こるか分からない不思議な世界の怖さもあり、ただ癒やされるだけではありません。
日常の幸福と突然の危険の落差が、読む人の心を引きつけます。短い話から楽しめますが、続くエピソードもあるので、気に入ったら前後を読んでみるのもおすすめです。
2. 聖☆おにいさん
🥈おすすめ度:83
★★★★
ブッダとイエスが立川のアパートで同居。聖人の休日がゆるい生活漫画に
あらすじ
長い休暇を取って地上へやって来たブッダとイエスは、東京・立川のアパートで二人暮らしを始める。スーパーで買い物をしたり、近所を散歩したり、家計をやりくりしたりと、毎日はごく普通の生活が中心。
ところが二人には宗教上のさまざまな逸話があり、その特別な背景が普段の言動へ思いがけない形で現れる。街の人々との交流のなかで、穏やかな日常が妙な笑いへ変わっていく。
おすすめポイント
この作品は、世界的な宗教の中心人物が庶民的な暮らしをする設定がとてもユニークです。ブッダはお金の使い方を気にし、イエスは新しい遊びに興味を示す。
特別な存在のはずなのに、友達同士のように会話する姿がかわいいです。
中村光さんの漫画は、宗教の逸話を日常のちょっとしたギャグへ置き換えるのが巧みです。元ネタを知っていればさらに笑えますが、二人の性格の違いだけでも楽しめると思います。
激しい展開や大声のツッコミより、穏やかな会話から生まれる笑いが中心です。文化や歴史への興味も広がる作品なので、のんびりした日常コメディを読みたい方におすすめです。
3. セトウツミ
🥉おすすめ度:80
★★★
放課後の川辺で話すだけの二人。くだらない会話が不思議な青春ドラマへ
あらすじ
高校生の瀬戸と内海は、学校が終わると川辺へやって来て、座ったままさまざまな話をする。大きな事件が起こるわけでもなく、好きな人の話や学校での出来事、どうでもいい言葉遊びが会話の中心になる。
明るく話す瀬戸に対し、内海は少し冷静な反応を返すことが多く、二人のやり取りには独特のテンポがある。何気ない放課後を繰り返しながら、それぞれの思いや日常が見えてくる物語。
おすすめポイント
『セトウツミ』は、ほとんど動かない場面でずっと笑わせるところがすごいです。川辺に座った二人が話しているだけなのに、言葉の取り違えや妙な理屈から笑いが生まれます。
瀬戸が勢いよく話し、内海が冷静に返すリズムは、友達同士ならではの距離感です。
此元和津也さんの漫画は、会話の間や表情を丁寧に使うので、声を出さなくても読める言葉のコメディとして完成しています。
一方、読み進めるほど二人の生活や人間関係が少しずつ見え、ただの漫才で終わらない魅力もあります。派手なシュールギャグよりも、日常会話のずれから笑いたい方におすすめです。
4. 極主夫道
🥉おすすめ度:79
★★★
元極道の主夫が家事に全力を注ぐ、強面の日常
あらすじ
かつて裏社会で「不死身の龍」と恐れられた男・龍は、今は専業主夫として妻の美久と暮らしている。買い物や料理、掃除といった家事に真剣に取り組むが、昔の言葉遣いや迫力のある外見のせいで、普通の出来事まで物騒に見えてしまう。
近所の住人やかつての知人たちも龍の日常へ関わり、思いがけない誤解や騒動が起こる。家事という身近な仕事を題材にしたコメディ漫画。
おすすめポイント
『極主夫道』の魅力は、家庭の仕事を極道の決戦のように描く発想です。龍は真面目に料理を作っているだけなのに、道具の扱い方や台詞の言い回しがやけに物騒。本人は本気なので、周囲が誤解する様子に笑ってしまいますよね。
おおのこうすけさんの漫画は、迫力ある顔つきや構図を日常生活へ持ち込むのが巧みです。料理が完成するまでの過程を一大作戦のように見せる場面もあり、細かな家事の知識がギャグへつながっています。
長いストーリーより短い騒動が中心なので、気になる回から読みやすいところも魅力です。怖い見た目と家庭的な行動のギャップが好きな方におすすめしたい作品です。
5. 坂本ですが?
🥉おすすめ度:78
★★★
すべてを格好よく切り抜ける高校生の、超人的な学園生活
あらすじ
高校に入学した坂本は、授業中も廊下でも、なぜか一つひとつの動作が驚くほど格好よく見える生徒だった。周囲には彼を困らせようとする同級生もいるが、坂本は予想外の方法で状況を切り抜けてしまう。
雑用や掃除、学校での嫌がらせさえ、彼にかかると洗練されたパフォーマンスへ変わる。何を考えているのか分かりにくい主人公と、それに驚く周囲の生徒たちを描く学園ギャグ。
おすすめポイント
『坂本ですが?』は、どんなくだらない出来事も完璧に格好よく処理するところが面白い作品です。坂本は普通なら困る状況でも、余裕のある表情を崩しません。
本人がふざけていないので、周囲の驚きがそのままギャグになります。
佐野菜見さんの漫画は、同じ教室や廊下を舞台にしながら、構図やポーズの見せ方を大げさにすることで笑わせます。坂本を格好悪くしようとする人の方が空回りしていく展開にも、気持ちのよい逆転があります。
短い学校生活のエピソードから読めるので、難しい物語の設定を覚える必要もありません。変なことを真面目にやり切るタイプのシュールな笑いが好きな方におすすめです。
6. ピューと吹く!ジャガー
🥉おすすめ度:77
★★★
謎の笛使いに振り回される青年。ゆるい会話と唐突な脱線が生む不条理
あらすじ
音楽の道を目指す青年・酒留清彦は、奇妙な男・ジャガージュン市と出会ったことで、普通とは少し違う生活へ巻き込まれていく。ジャガーはリコーダーのような笛を使い、不思議な理屈で周囲の人々を振り回す。
音楽を学ぼうとする場面でも、まともな練習より変な行動や意味の分からない話が増えてしまう。清彦は納得できないことばかりの毎日のなかで、妙な仲間たちと関わっていく。
おすすめポイント
『ピューと吹く!ジャガー』は、主人公が真面目なことをしたいほど話が脱線するところが魅力です。清彦がまともに対応しようとしても、ジャガーは全然違う答えを返します。
話が進まないのに笑えてしまう、独特のゆるさがあります。
うすた京介さんの描く表情は、キャラクターの戸惑いや呆れた気持ちをよく伝えます。誰かが妙なことを始めても、次のコマでは急に別の話になっていることもあり、展開を予想しにくいのも特徴です。
音楽を題材にした漫画ではありますが、本格的な演奏の成長物語を求めるとかなり方向が違います。言葉の間や勢いのないツッコミに笑える方におすすめしたいシュール漫画です。
シュールな漫画おすすめのまとめ

シュールな漫画おすすめのまとめとして、意味の分からないギャグを味わいたい方には『伝染るんです。』、日常の中に突然大きな騒動が起きる笑いなら『日常』がおすすめです。『ボボボーボ・ボーボボ』のようなカオスな作品と、『女の園の星』の静かな会話劇では、同じシュールでも笑いの質がまったく違います。
温かな人間関係も楽しみたいなら『ヒナまつり』、不思議な日常の余韻が好きなら『しめじシミュレーション』、短い会話で笑いたいなら『セトウツミ』もぜひ読んでみてほしい作品です。自分がどんな瞬間に笑ってしまうかを思い出しながら、まずは気になる作品の一話を開いてみましょう。
不条理な四コマから、勢いで押し切るカオスな作品、会話の間で笑わせる作品まで、楽しみ方は幅広くあります。短い時間で気分転換したいなら『伝染るんです。』『ギャグマンガ日和』、物語と一緒に笑いたいなら『ヒナまつり』『しめじシミュレーション』が入り口になります。最初の数話で絵柄とテンポを確かめ、好みに合う作品を見つけてください。
🥈傑作(おすすめ度:81〜85)
ヒナまつり
日常
斉木楠雄のΨ難
ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ
女の園の星
聖☆おにいさん
🥉良作(おすすめ度:76〜80)
伝染るんです。
しめじシミュレーション
ギャグマンガ日和
すごいよ!!マサルさん
ボボボーボ・ボーボボ
あそびあそばせ
魁!!クロマティ高校
セトウツミ
吸血鬼すぐ死ぬ
極主夫道
異世界おじさん
ポプテピピック
坂本ですが?
ピューと吹く!ジャガー
ふうらい姉妹
個性派(おすすめ度:66〜70)
カッコカワイイ宣言!
参考文献
- 小学館eコミックストア『伝染るんです。 1』
- KADOKAWA『シメジ シミュレーション 01』
- 国立国会図書館サーチ:作品・出版情報の確認に使用。
- 文化庁「メディア芸術データベース」:漫画・アニメ作品情報の確認に使用。
