こんにちは、ミヤガミです。この記事では「おすすめ度」について解説していきます。
当ブログでは、作品のランキングなどで「おすすめ度」を載せることがあります。
でも何を基準にした数字なのか分からず、戸惑っている方もいるかもしれません。
「このブログの「おすすめ度」って?」
「何を基準にしているの?」
「信頼できるの?」
こうした疑問に答えます。
ぜひ最後までご覧ください。
「おすすめ度」を決める手順
まず「おすすめ度を決める手順」について説明します。大まかなステップは7つです。
1. まず作品を思いっきり楽しむ。
2. 感じたことをまとめる。
3. 基本的な評価を50点満点で決める。
4. ミヤガミ独自の評価を50点満点で決める。
5. レビューサイトで世間の評価をチェックする
6. 場合によっては「ジャンル評価」を考慮する
7. 上記の要素を総合して「おすすめ度」を決める
上記の通りです。これだけ見ても分かりにくいと思うので、これから詳しく解説していきます。
おすすめランキングの根拠・基準
当ブログのおすすめランキングでは、以下の2つの軸が重要になります。
1. 基本評価
2. ミヤガミ評価
以下では、この2つの軸について詳しく解説します。
1. 基本評価
第一の軸は「基本評価」です。これは「ストーリー」や「キャラクター」など、作品を構成する基本要素について採点する項目です。
例えば「漫画」の場合、以下の4項目を評価します。
◆アニメの基本評価
1. ストーリー
2. 世界観・設定
3. キャラクター
4. 画力
またアニメの場合には「音響」が加わり、以下の5項目となります。
◆アニメの基本評価
1. ストーリー
2. 世界観・設定
3. キャラクター
4. 映像
5. 音響
これらの項目について、さらに深掘りして説明します。
1-1. ストーリー
「ストーリー」の評価では、以下のような「問い」について考えます。
・続きが気になるような始まり方か?
・謎があるか?
・緊張感やサスペンスが持続しているか?
・物語に方向性や目的はあるか?
・進行ペースは適切か?
・ラストは満足できるものだったか?
素晴らしいストーリーというのは、最初から最後まで消費者を飽きさせません。
「続きが気になって仕方ない!」「見始めたら止まらない!」そんな風に思わせるストーリーは、高評価になります。
1-2. 世界観・設定
「世界観・設定」の項目では、以下のような「問い」について考えます。
・設定には十分な情報量があるか?
・独自の文化が感じられるか?
・風景やデザインは特徴的か?
・その世界についてもっと知りたいと思うか?
「どんどん引き込まれる」「この世界についてもっと知りたい!」そんな風に思わせる世界観・設定は高評価になります。
1-3. キャラクター
「キャラクター」については、次のような項目を評価します。
・個性的か?
・そのキャラクターは成長するか?
・共感できるか?
・言動は理解可能か?
・複雑で深みのある現実的な人物か?
・もっと知りたいと思うか?
魅力的なキャラクターというのは、個性的で、複雑で、共感できる人物です。またストーリーを通して少しずつ成長し、消費者に「もっと知りたい」と思わせる人物です。
別の言い方をすれば「かっこいい」「かわいい」「強い」などの単純な理由だけで、キャラクターを高く評価することはありません。
1-4. 画力・映像
漫画の「画力」や、アニメの「映像」については、以下のような項目をチェックします。
・ディテールの書き込み量は適切か?
・カメラワークは見やすいか?
・絵に立体感があるか?
・デッサンに違和感をおぼえる箇所はないか?
・陰影・照明・描線などを使いこなしているか?
・背景美術はリアルで美しいか?
・動きは滑らかか?
素晴らしい画力とは、必要な描きこみ量があり、立体的で、陰影や描線のパターンを使いこなしている作画のことだと思います。
別の言い方をすれば、消費者に「雑だな」「見にくいな」と不満をおぼえさせるような絵は、低評価となります。
1-5. 音響
アニメの「音響」については、次のような項目をチェックします。
・BGMはシーンに合っているか?
・OPやEDは作品の雰囲気をよく表しているか?
・効果音にリアリティがあるか?
・声優の演技に違和感はないか?
素晴らしい音響とは、各シーンの雰囲気に合っており、リアルに感じられ、違和感のない音のことです。
別の言い方をすれば、単に「テンションが上がるBGM」や「かっこいい曲」というだけでは、音響は高評価になりません。
効果音や声優の演技も含めた総合評価です。
2. ミヤガミ評価
第2の軸は「ミヤガミ評価」です。これは、当ブログの筆者が重視している「独自の視点」から作品を採点する項目です。
具体的には、以下の5項目をチェックします。
◆ミヤガミ評価
1. オリジナリティ
2. テーマ性
3. 説得力
4. 成熟度
5. 感情
それぞれの項目について、さらに深掘りして説明します。
2-1. オリジナリティ
作品には「オリジナリティ」がなければならない、と筆者(ミヤガミ)は考えています。
他の作品をコピーしたり、他人のアイディアを機械的に寄せ集めたような内容なら、その作品の価値はあまり高くないと言わざるを得ません。
・他作品の寄せ集めになっていないか?
・作家性が感じられるか?
こうしたポイントに注目します。
2-2. テーマ性
作品には「テーマ性」や「メッセージ」があるべきです。
もちろん「頭を空っぽにして楽しめる」というタイプの作品もあります。しかし、それでは「一時的な快楽」や「暇つぶし」のために消費されて終わってしまうかもしれません。
・作者の思想はあるか?
・考えさせられるような内容か?
こうした項目も、筆者は重要だと考えています。
2-3. 説得力
作品には「説得力」が必要です。
もし説得力がなければ、消費者は「意味がわからない」「ツッコミどころがありすぎて楽しめない」などの不満を抱くはずです。
・説明は丁寧か?
・不自然なシーンはないか?
・専門的な考証があるか?
・リアリティが感じられるか?
こうした点も作品を評価するうえで重要です。
2-4. 成熟度
作品には「成熟度」が求められる、と筆者は考えています。
・子どもっぽいシーンが多くないか?
・不必要なファンサービスはないか?
・意味もなく過激なシーンはないか?
・セリフは現実的か?
上記のような項目について評価することも重要です。
あまりにも子どもっぽいシーンが多かったり、無意味に過激なシーンが多かったりすれば、その作品は消費者をただ不快にさせるだけでしょう。
2-5. 感情
作品は、消費者の「感情」に訴えるようなものでなくてはならないと思います。
・感動するか?
・胸が熱くなるか?
・喜怒哀楽を感じるか?
・共感できるか?
こうしたポイントも、作品を評価する上で重要だと思います。
具体例:アニメ「鬼滅の刃」の場合
ここでは、有名なアニメ「鬼滅の刃」を例にして、どのように「おすすめ度」を決めるのか説明します。
とくに「感想・キーワード」「基本評価」「ミヤガミ評価」という3つのステップが重要になります。
0. 感想・キーワード
まず、アニメ「鬼滅の刃」に対する、私の「感想」や「キーワード」は以下の通りです。
◆感想
続きが気になる | |
胸が熱くなる | |
楽しい | |
考えさせられる |
◆キーワード
1. 鬼 |
2. 剣術 |
3. 大正時代 |
4. 少年漫画 |
簡単に言えば「その作品を見て何を感じたか」をまとめておくということですね。
率直に感じたことを確認した上で、細かい分析評価に入っていきます。
1. 基本評価
ここでは、アニメ「鬼滅の刃」に対する基本的な評価を行います。
アニメ作品の場合には、ストーリー、世界観、キャラクター、映像、音響という5項目について、それぞれ10点満点で評価します。(声優の評価については「キャラクター」や「音響」の中に含まれています)
ストーリー 8/10
『鬼滅の刃』のストーリーは、「妹が鬼になってしまう」という衝撃的な展開から始まります。序盤から視聴者の心をグッとつかんでいて、物語のスタートとしては先が気になる展開です。
そのあとも「妹を人間に戻す」という明確な目的があり、ストーリーの方向性がはっきりしています。何のために旅をしているのか、何のために戦っているのかが明白なので、視聴者は混乱しません。
大きなバトルを繰り返しながら成長するストーリーは、少年漫画にありがちな展開ではあります。それでもテンポ良く進みますし、物語の面白さは間違いなく「良作」または「傑作」の評価に値します。よってストーリーは「8/10」という評価です。
世界観 8/10
『鬼滅の刃』の世界観は、基本的に「鬼vs鬼を狩るサムライ」という構図で成り立っています。
鬼については「日光に弱い」「基本的には不死身」など、よくある鬼の設定とそれほど変わりません。ただし「血鬼術」と呼ばれる能力があり、このあたりの細かい設定には少しオリジナリティが感じられます。
鬼の生態については謎も多く、「この世界について知りたい」と視聴者に思わせるだけの魅力があります。また大正時代を舞台にしており、着物や刀などの設定も細かくて見どころです。
ユニークな世界観とは言いがたいですが、十分に細かい設定・魅力があります。世界観全体としての評価は「8/10」になります。
キャラクター 9/10
『鬼滅の刃』のキャラクターはほぼ全員個性的です。
妹想いの心優しい炭治郎、びくびくしているけど本当は強い善逸、常に猪突猛進でエネルギッシュな伊之助など、愛らしい登場人物が多いです。
また「柱」や「十二鬼月」のメンバーも、それぞれに個性的な性格、独特なデザイン、口癖などが設定されています。いわゆる「モブキャラ」はほとんど出てきません。
どのキャラクターも戦う理由が明確ですし、さまざまなバトルを通じて少しずつ成長します。肉体的な成長はもちろんですが、伊之助が感謝の心を学びはじめるなど、精神的な成長も見られます。
総合的に見ると、制作者がキャラクター設定に注いでいる労力は、相当なものであることが分かります。個性、成長性、デザイン性など、どの観点から見ても傑作レベルです。やや現実味には欠けるものの、全体としてのキャラクター評価は「9/10」です。
映像 10/10
『鬼滅の刃』の映像美は圧倒的です。『Fate/Zero』『ゴッドイーター』など、数々の傑作を世に放ってきた制作会社ufotableの実力がよく分かります。
滑らかでよく動くアニメーションはもちろんですが、とくに素晴らしいのは「CG」と「照明」の2つです。
まずCGについては、手描きのアニメーションと違和感なく融合していて、とても自然に見えます。例えば、倒された鬼が消えていくシーンでは、黒い遺灰が空気中に拡散していく様子がCGで描かれます。そのタイミング、消えていく速度などは正確で、CG技術の高さを垣間見ることができます。
また照明もハイクオリティで贅沢です。例えば夜のバトルシーンの場合、月光、瞳の輝き、カラフルな異能力、顔の陰影などがクッキリと美しく描かれています。
立体的なカメラワークもレベルが高く、例えば19話『ヒノカミ』のバトルシーンは圧巻です。私はこれまでに1500作品以上のアニメを観てきましたが、『鬼滅の刃』以上に映像が美しいアニメは数えるほどしかありません。
この映像美は信じられないレベルです。評価は「10/10」です。
音響 9/10
『鬼滅の刃』の音響はハイクオリティです。BGMについては、多くのufotable作品と同じように、梶浦由記さん、椎名豪さんの2人が担当しています。
音響について、とくに注目してほしいのは「刀の音」です。刀を振るときには、その速度、角度に応じて効果音が大きく変化しています。また刀の鞘(さや)や鍔(つば)など、細かいパーツによっても音が違うので、一音一音にかなりのリアリティを感じます。
また西洋化が進んでいる大正時代を舞台にしていることから、ヨーロッパの楽器を多く使用しているところもポイントです。これにより、和洋折衷な大正の雰囲気をうまく出していると感じました。
こうしたリアリティを追求した音響は、作品世界に深みを与えています。全体的な音響の評価は「9/10」です。
全体の基本評価 44/50
ここまで説明してきた「ストーリー」「世界観」「キャラクター」「映像」「音響」のスコアを合計して、全体の基本評価が決まります。
・ストーリー 8/10
・世界観 8/10
・キャラクター 9/10
・映像 10/10
・音響 9/10
アニメ「鬼滅の刃」の基本評価:44/50
2. ミヤガミ評価
ここからは、アニメ「鬼滅の刃」を、ミヤガミ独自の視点から評価を行います。
具体的には、オリジナリティ、テーマ性、説得力、成熟度、感情という5項目について、10点満点で評価します。
オリジナリティ 7/10
『鬼滅の刃』は、さまざまな作品から影響を受けており、オリジナリティはやや低いです。
例えば「鬼」や「全集中の呼吸」などの設定は、『ジョジョの奇妙な冒険 第2部』に出てくる「吸血鬼」「波紋法」などの設定にかなり似ています。
コメディシーンの雰囲気は『銀魂』を思わせるところがありますし、ストーリーについては少年漫画の定番パターンに近いです。
キャラクターデザインや血鬼術などの面ではオリジナリティを感じるものの、全体としては「7/10」という評価になります。
テーマ性 8/10
『鬼滅の刃』は、「ヒューマニズム」や「家族愛」という普遍的なテーマを強く訴えており、人間の尊さについて考えさせられる内容になっています。
また主人公の炭治郎は、悪役に感情移入することが多く、こうした描写から「世の中は善悪では割り切れない」というメッセージが感じられます。
扱っているテーマはどれもありがちで、斬新ではありません。それでも普遍的なテーマを強く訴える姿勢はすばらしいです。テーマ性は「8/10」の評価になります。
説得力 8/10
『鬼滅の刃』はファンタジー作品ですが、丁寧な説明が多いため、十分な説得力があります。
例えば、主人公・炭治郎の心理描写はかなり詳しいです。「息が苦しい」「凍てついた空気で肺が痛い」などのモノローグがあるので、視聴者は彼がどんな状況にあるのかきちんと理解できます。
ファンタジーの設定は非現実的ですが、それぞれのシーンの説明はかなり丁寧です。説得力は「8/10」という評価になります。
成熟度 7/10
『鬼滅の刃』は、あまり成熟している作品とはいえません。子どもっぽいシーンも多いです。
例えば、遊郭編(第2期)では、宇髄天元というキャラクターが命がけの戦いを終える場面があります。しかしその直後、キャラクターをゆるっとした絵でデフォルメするなどして、無理やり笑わせようとするような不自然なコメディが挟まれます。
コメディシーン自体は悪いことではありませんが、生きるか死ぬかの戦いを終えた直後でゆるいシーンを入れるのは不適切でしょう。いくら視聴者を楽しませるためとはいえ、タイミングが悪いですし、度が過ぎています。
テーマ性については成熟していると言えますが、不自然なコメディシーンは「子どもっぽい」と言わざるを得ません。全体の評価は「7/10」となります。
感情 9/10
『鬼滅の刃』は感情に強く訴えてくるアニメです。
「命の尊さ」や「家族愛」を教えてくれる感動的な作品ですし、命がけの戦闘シーンにも心を揺さぶられます。
とくに強力なポイントになっているのは「悪役にも共感できる」という点です。敵キャラクターにも辛い過去、切ない想いがあるので、善悪を超えた感動を味わえます。
倒した敵キャラのために涙を流すシーンもあり、心優しい主人公に胸打たれます。感情面での評価は「9/10」となります。
全体のミヤガミ評価 39/50
ここまで説明してきた「オリジナリティ」「テーマ性」「説得力」「成熟度」「感情」のスコアを合計して、全体のミヤガミ評価が決まります。
・オリジナリティ 7/10
・テーマ性 8/10
・説得力 8/10
・成熟度 7/10
・感情 9/10
アニメ「鬼滅の刃」のミヤガミ評価:39/50
総括:アニメ「鬼滅の刃」のおすすめ度
ここまで説明してきた内容を踏まえた上で、アニメ「鬼滅の刃」の最終的なおすすめ度を決定します。
以下のようなポイントを総合的に考え、総括します。
・感想
・基本評価(44/50)
・ミヤガミ評価(39/50)
・世間の評価(レビューサイトの点数など)
・ジャンル評価(ジャンル別のまとめ記事の場合には、そのジャンルの中でどれだけ面白いかも考慮する)
原則として「基本評価+ミヤガミ評価」で点数が決まります。
しかし「世間の評価」や「ジャンル評価」なども考慮するので、状況に応じて「おすすめ度」は微調整されます。
「鬼滅の刃」の場合、結論は以下の通りです。
アニメ「鬼滅の刃」のおすすめ度:83〜88(おすすめ記事のジャンルなどに応じて変動)
まとめ
本記事では「おすすめ度」について説明してきました。
具体例として「鬼滅の刃」を詳しく評価してみたので、だいたいどんな風に「おすすめ度」を決めているかは分かっていただけたと思います。
当ブログのおすすめ度は、「漫画・アニメ」について詳しい筆者が、オリジナルの観点・知識を使って決めています。それだけ信頼できる情報ですし、きっと皆さんのお役に立つと思います。
ぜひ「漫画・アニメ」選びの参考にしてください。