
武士の時代が終わり、西洋文化や新しい制度が一気に流れ込んだ明治時代。
漫画では、元武士が新しい社会で生き直す物語、開港地で異文化に触れる人々、近代国家の形成に巻き込まれる若者など、「古い価値観と新しい価値観が同時に存在する時代」だからこそのドラマが描かれます。
- 明治時代を舞台にした名作漫画を読みたい
- 文明開化や剣客、旧幕臣など時代の変化を楽しみたい
- 歴史ものだけじゃなく恋愛やミステリーも探したい
この記事では、明治時代の漫画おすすめ17選を「まず読みたい名作」「文明開化・暮らし」「恋愛・事件・激動」の3タイプに分けて紹介します。
史実をそのまま再現する作品だけではありませんが、明治という時代が人物の生き方へどう影響するのかに注目すると、より深く楽しめます。

剣客の生き直しから文明開化の暮らし、身分差の恋まで。気になる明治の顔から一冊を選んでみてください。
【まず読みたい名作】明治漫画おすすめ6選
まずは、明治時代を舞台にした漫画から選ぶなら候補に入れたい名作6選をご紹介します。
剣客、北海道、文明開化、東アジア情勢まで扱う範囲が広く、明治という時代の複雑さを異なる角度から味わえる作品が揃っています。
1. ゴールデンカムイ
🥇おすすめ度:87
★★★★★
日露戦争帰りの兵士とアイヌの少女が、北海道に隠された金塊を追う。冒険、歴史、文化描写が重なる明治漫画の代表作
明治テーマ:明治末期・北海道・日露戦争後・アイヌ文化
あらすじ
日露戦争を生き延びた元兵士・杉元佐一は、北海道で砂金を探す中、アイヌから奪われた金塊の話を知る。金塊の手がかりは脱獄囚たちの刺青に分けて刻まれていた。杉元はアイヌの少女・アシㇼパと手を組み、軍人、脱獄囚、土方歳三らも入り乱れる争奪戦へ入っていく。
おすすめポイント
舞台が明治末期なので、幕末の生き残りと日露戦争帰りの若者が同じ時代に存在します。土方歳三のように旧時代を引きずる人物と、近代軍隊で戦った鶴見中尉や杉元が交差するだけでも、明治の「過渡期」がよく見えます。
さらに北海道開拓やアイヌ文化、当時の食や狩猟まで物語へ組み込み、単なる金塊争奪戦では終わりません。娯楽性が高いのに、時代背景そのものが登場人物の価値観へ深く影響しています。
歴史の濃さ:高め。史実上の人物や制度を取り込みつつ、冒険活劇として大きく脚色しています。
2. るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
🥇おすすめ度:86
★★★★★
人斬りだった男が「不殺」を誓い、明治を生き直す。剣の時代が終わった後だからこそ成立する贖罪の物語
明治テーマ:明治初期・廃刀後の剣客・旧幕府と新政府
あらすじ
幕末に「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心は、明治維新後、逆刃刀を携えて流浪している。東京で神谷薫と出会ったことをきっかけに道場へ身を寄せ、人を斬らずに守る生き方を選びながら、幕末から続く因縁や新時代の敵と向き合っていく。剣心は過去の行いから目をそらさず、新しい時代で何を守れるかを探していく。
おすすめポイント
この作品は「強い剣士が戦う漫画」であると同時に、「剣士が必要とされた時代は終わった」という矛盾を抱えています。
元志士、元新選組、士族など、幕末では立場が違った人物たちが、明治では同じ新社会を生きなければなりません。廃刀令後の剣客が何のために剣を持つのか、維新のために人を斬った者が平和な時代でどう生きるのかという問いが、剣心の「不殺」へ直結しています。
歴史の濃さ:中〜高め。架空人物中心ですが、明治政府や士族反乱など時代背景が強く物語へ入ります。
3. ふしぎの国のバード
🥈おすすめ度:82
★★★★
英国人旅行家イザベラ・バードが、日本の奥地を旅する。文明開化の外側に残る暮らしを細密に描く紀行漫画
明治テーマ:明治初期・外国人旅行家・地方の暮らし
あらすじ
明治初期、日本を訪れた英国人旅行家イザベラ・バードは、通訳の伊藤鶴吉とともに東京から北日本、北海道へ向かう。鉄道や近代都市がまだ十分に整っていない土地を進み、宿場、農村、山道で多様な人々の生活を目にしていく。バードが見聞きしたことと伊藤の案内が重なり、明治の地域社会が旅の中から見えてくる。
おすすめポイント
文明開化というと鹿鳴館や洋装を想像しやすいですが、日本全国が一斉に西洋化したわけではありません。本作では、外国人のバードが地方へ進むことで、都市との生活差がはっきり見えます。
道、宿、食事、衛生、衣服など一つ一つの違いが旅の障害にも発見にもなります。外から日本を見る視点があるため、「当時の日本人には普通だったこと」が読者にも新鮮に映ります。
歴史の濃さ:非常に高め。実在の旅行家の紀行をもとに再構成されています。
4. 陽だまりの樹
🥉おすすめ度:80
★★★
一本の樹の下で交差する武士と医師。幕末の終わりから近代化へ向かう社会を、二人の人生で追う手塚治虫さんの大河
明治テーマ:幕末から明治への転換・武士・蘭方医
あらすじ
幕末の江戸を舞台に、武士として生きる伊武谷万二郎と、蘭方医・手塚良庵の人生を並行して描く。攘夷、開国、疫病、政治の変化に巻き込まれながら、まったく性格の違う二人はそれぞれの信念を貫こうとする。それぞれの仕事と出会いを通して、変わりゆく江戸の姿が浮かび上がる。
おすすめポイント
明治だけを切り取るのではなく、「なぜ明治という時代が生まれたのか」を幕末から追えるのが大きな魅力です。武士の価値観が揺らぐ一方、西洋医学は少しずつ受け入れられていく。
政治制度だけではなく、医療や日常生活まで変化するため、近代化を人の暮らしとして理解できます。時代が変わると、正しかったはずの生き方まで古くなる。その残酷さが人物の人生を通して伝わります。
歴史の濃さ:非常に高め。史実や実在人物が多く登場します。
5. 王道の狗
🥉おすすめ度:80
★★★
理想を信じる若者が、国家と国際政治の現実に飲み込まれる。明治の東アジアを描く骨太な歴史冒険漫画
明治テーマ:自由民権・北海道・日清戦争前後・東アジア
あらすじ
明治期の日本を舞台に、政治運動や北海道、朝鮮半島、中国をめぐる情勢へ若者たちが巻き込まれていく。自由や理想を求めて動き出した人物たちは、国家の思惑や戦争の現実に直面し、自分が何を信じて行動するのかを問われる。旅や出会いを重ねるほど、理想を貫くことの難しさが明らかになっていく。
おすすめポイント
維新後の日本を「近代化してめでたし」と描かず、新しい国家が周辺地域へどう関わっていくかまで踏み込みます。
自由民権の理想、政府の外交、軍事的な拡張が同じ時代に存在し、個人の正義だけでは整理できません。幕末漫画では見えにくい「近代国家になった後の日本」を知るうえで、かなり骨太な作品です。
歴史の濃さ:非常に高め。東アジア史や政治史の要素が強いです。
6. ニュクスの角灯
🥉おすすめ度:78
★★★
明治の長崎で、少女が舶来品を扱う道具屋へ。外国の品物から世界が広がる文明開化の物語
明治テーマ:長崎・舶来品・西洋文化・女性の自立
あらすじ
明治時代の長崎。内気な少女・美世は、舶来品を扱う道具屋で働き始める。ガラス製品、家具、装飾品など海の向こうから来た物を通して、店主や客、異国とつながる人々の人生へ触れ、自分の世界も少しずつ広げていく。
おすすめポイント
政治的な大事件より、「外国の物が日本の生活へ入ってくる瞬間」を丁寧に描く作品です。ランプや装飾品一つにも、当時の人にとっては見たことのない価値観が宿っています。
長崎という開港地だからこそ、人と物の往来が日常に近いのも魅力。文明開化を抽象的な言葉ではなく、店先に並ぶ品物と人物の感情から感じられます。
歴史の濃さ:中〜高め。暮らしと美術、異文化交流の描写が中心です。
【文明開化・暮らし】明治漫画おすすめ5選
続いて、商売、食文化、開港地、女性の仕事など、文明開化によって暮らしが変わっていく様子を楽しめる明治漫画おすすめ5選をご紹介します。
戦争や剣客だけでは見えない、「新しい生活が始まる時代」としての明治を読みたい方におすすめです。
1. 日に流れて橋に行く
🥈おすすめ度:82
★★★★
英国帰りの若者が、さびれた老舗呉服店の再建へ。商いと女性の働き方から近代化を描く群像劇
明治テーマ:明治末期・日本橋・呉服店・百貨店文化
あらすじ
明治末期の日本橋。老舗呉服店「三つ星」の三男・星乃虎三郎は、三年間の英国留学から帰国し、時代に取り残された店を立て直そうとする。謎の男・鷹頭や、店で働き始める女性・時子らとともに、新しい商いの形を模索していく。
おすすめポイント
舞台は明治44年頃で、呉服店から百貨店へ商売の形が変わり始める時期です。
英国で見た商業の考え方を持ち帰る虎三郎と、昔ながらのやり方を守る店側がぶつかることで、「伝統を残すこと」と「時代へ合わせること」の葛藤が見えます。女性店員が働くことへの抵抗もあり、商売だけでなく働き方そのものが変わる時代だと分かります。
歴史の濃さ:高め。日本橋の商業と近代化が物語の核です。
2. ヨコハマ物語 夢草紙―明治編―
🥈おすすめ度:81
★★★★
西洋文化が流れ込む横浜で、少女たちが恋と将来を選ぶ。文明開化の街そのものが魅力の歴史ロマンス
明治テーマ:開港地横浜・異文化交流・女性の自立
あらすじ
明治の横浜を舞台に、異なる境遇の女性たちが、外国人や新しい文化と関わりながら恋愛や人生を選んでいく。旧来の価値観が残る家庭と、西洋化が進む街の間で、女性たちは自分の将来を模索する。横浜での出会いは、二人の人生と将来の選択に影響を与えていく。
おすすめポイント
横浜は開港によって外国人居留地や洋館が生まれ、日本の中でも特に新しい文化へ近い街でした。
だから登場人物は、洋装や外国語、新しい仕事へ触れながらも、家制度や身分意識から完全には自由になれません。その「街は変わっているのに、人の価値観はすぐ変わらない」というズレが恋愛ドラマに効いています。
歴史の濃さ:中〜高め。文明開化の横浜と女性の生き方が中心です。
3. 一の食卓
🥉おすすめ度:79
★★★
西洋菓子店で働く少女と、時代に取り残された元武士たち。食卓から新しい時代の味を描く明治グルメドラマ
明治テーマ:明治初期・西洋菓子・元新選組・食文化
あらすじ
明治初期、西洋菓子を扱う店で働く少女を中心に、元新選組隊士ら幕末を生きた人々が交差する。新しい食文化へ触れながら、それぞれが失ったものや新しい生活へ向き合っていく。菓子店での出来事を通じて、古い時代を知る人々と新しい時代を生きる人々が近づく。
おすすめポイント
パンや洋菓子は、現代では当たり前でも、当時の人にとっては西洋から入ってきた新しい食文化でした。元武士たちが刀の時代を失う一方、街には新しい店や食べ物が増えていく。
その対比によって、文明開化を味覚から感じられます。戦いの後を生きる人々が「これから何をして暮らすのか」を食卓と仕事で描くのも魅力です。
歴史の濃さ:中〜高め。明治初期の食文化と幕末の余韻が重なります。
4. 東京ラストチカ
🥉おすすめ度:77
★★★
身分の違う二人が、変わりゆく東京で惹かれ合う。洋装と古い価値観が並ぶ切ない明治ロマンス
明治テーマ:明治末期・東京・身分差恋愛
あらすじ
明治末期の東京を舞台に、異なる身分・境遇に生きる男女が出会い、互いに惹かれていく。近代化する街の中でも、家柄や周囲の期待は強く残り、二人の関係は簡単には進まない。街の変化に押されながらも、二人は自分たちの思いをどう守るか考えていく。
おすすめポイント
街には洋館や洋装が増え、見た目は新しい時代へ変わっていても、結婚や家族に関する価値観は古いまま残っています。
そのため、自由恋愛を望む気持ちと身分・家の都合が衝突します。文明開化を華やかさだけで描かず、「新しい生き方が見え始めたからこそ、古い制度が窮屈に感じる」という恋愛の切なさへつなげている作品です。
歴史の濃さ:中程度。歴史事件より恋愛と時代の空気が中心です。
5. 明治失業忍法帖
🎖️おすすめ度:75
★★
忍者の技が時代遅れになった明治で、元忍者が生き方を探す。文明開化を笑いへ変えた歴史ラブコメ
明治テーマ:廃藩置県後・士族・元忍者・文明開化
あらすじ
武士や忍者が役割を失っていく明治時代を舞台に、士族の娘と元忍者を中心とした人々が、新しい社会の中で仕事や恋に向き合っていく。過去の技能が役に立つ場面もあれば、完全に時代遅れになる場面もある。新しい仕事や暮らしを探す過程で、それぞれの過去も現在の選択に影を落とす。
おすすめポイント
「忍者が活躍する時代は終わった」という設定自体が、明治らしい笑いにつながります。幕末なら有用だった技も、制度や社会が変われば職業として成立しません。
士族も同じように、新しい仕事や生活を探す必要があります。その大きな社会変化を深刻一辺倒にせず、ラブコメとして軽快に読めるのが個性的です。
歴史の濃さ:中程度。文明開化をコメディーとして味わう作品です。
【恋愛・事件・激動】明治漫画おすすめ6選
最後は、恋愛や事件、政治的な激動へ焦点を当てた明治漫画おすすめ6選をご紹介します。
明治という時代の華やかさだけじゃなく、身分差、旧幕臣、新政府、戦争など、変化の痛みまで描く作品が中心です。
1. 明治メランコリア
🥈おすすめ度:82
★★★★
幼かった鈴が成長し、自分の恋と人生を選び始める。明治の社会で「守られる側」から変わる続編ロマンス
明治テーマ:明治中期・年齢差恋愛・女性の成長
あらすじ
『明治緋色綺譚』から数年後。成長した鈴は、津軽への思いを抱きながら、自分を取り巻く人々や新たな事件へ向き合う。幼い頃には理解できなかった恋愛や社会の事情が見えるようになり、自分の意思で未来を選ぼうとする。
おすすめポイント
少女が大人へ近づく中で、結婚や身分、家の事情が現実的な問題になります。
明治は女性の教育や働き方が変わり始めた時代ですが、自由に恋や職業を選べる社会ではありません。その環境で鈴が「誰かに決めてもらう」のではなく自分で選ぼうとする姿が、恋愛の成長と時代の変化に重なります。
歴史の濃さ:中程度。恋愛・成長が中心で、明治の制度や風俗が背景を支えます。
2. 涙雨とセレナーデ
🥈おすすめ度:81
★★★★
現代の女子高生が明治へ迷い込み、自分と瓜二つの令嬢に出会う。時代そのものが二人を隔てる切ない恋愛劇
明治テーマ:タイムスリップ・明治の東京・身分差恋愛
あらすじ
現代の女子高生・陽菜は、ある出来事をきっかけに明治時代へタイムスリップする。そこで自分とよく似た令嬢と出会い、青年・孝章をめぐる複雑な人間関係や事件へ巻き込まれていく。元の時代へ戻る方法を探す一方、陽菜の心も明治に残る人々へ近づいていく。
おすすめポイント
現代人の陽菜がいることで、当時の身分感覚や男女の距離、移動や連絡の不便さが分かりやすく見えます。
現代ならすぐ確認できることも、明治では手紙や人づてに頼らなければならず、それがすれ違いへ直結します。西洋化しつつ古い制度も残る街並みが、タイムスリップものの「近いようで遠い過去」という感覚を強くしています。
歴史の濃さ:中程度。歴史再現より、明治を舞台にした恋愛と謎が中心です。
3. 明治緋色綺譚
🥉おすすめ度:80
★★★
遊郭から救い出された少女と呉服屋の青年。明治社会の影を背負いながら事件へ挑む恋愛ミステリー
明治テーマ:遊郭・呉服屋・少女の成長・事件
あらすじ
遊郭にいた少女・鈴は、呉服屋の青年・津軽に身請けされ、新しい生活を始める。頭の回転が速い鈴は、津軽とともにさまざまな事件や人間関係へ関わり、自分の過去とも向き合っていく。新たな居場所を得た鈴は、周囲の人を知るほど自分の行く先も考えるようになる。
おすすめポイント
文明開化の華やかさの裏に、貧困や遊郭、身分の差が残っていたことが物語へ入ります。
鈴は救われたからすぐ幸せになるのではなく、自分がどこへ所属するのか、津軽との関係をどう考えるのかを少しずつ学びます。呉服屋という舞台もあり、服や商いから当時の暮らしを感じられるのも魅力です。
歴史の濃さ:中程度。社会背景と事件、恋愛がバランスよく組み合わされています。
4. 曇天に笑う
🥉おすすめ度:79
★★★
廃刀令後の近江で、三兄弟が大蛇の伝説へ巻き込まれる。新時代と古い怪異が衝突する明治伝奇アクション
明治テーマ:明治初期・廃刀令・滋賀・和風伝奇
あらすじ
明治初期、廃刀令によって不満を抱える者が増える中、琵琶湖には重罪人を収容する監獄が作られる。曇天火、空丸、宙太郎の三兄弟は囚人の護送などを担っているが、やがて大蛇をめぐる古い因縁へ巻き込まれていく。三兄弟は家族としての絆を守りながら、事件の背後にある謎を追っていく。
おすすめポイント
近代化が始まったばかりの社会に、陰陽や大蛇といった古い伝承が残っている。その二重構造が作品の和風ファンタジーとよく合います。
廃刀令によって刀を持つ意味が変わった時代なので、戦う人物の立場にも幕末ものとは違う緊張があります。新政府の制度と古代から続く怪異を一つの世界へ置いた、明治ならではの伝奇です。
歴史の濃さ:中程度。史実的背景を使った和風ファンタジーです。
5. 警視庁草紙‐風太郎明治劇場‐
🥉おすすめ度:78
★★★
新しい警察組織と、旧幕府側の人々が事件を通して衝突する。明治という制度転換をミステリーで読む作品
明治テーマ:創設期の警視庁・旧幕臣・実在人物・事件
あらすじ
明治初期の東京で、創設間もない警視庁の人々と旧幕臣たちが、不可解な事件や犯罪をめぐって交差する。新政府側と旧時代を生きた人物たち、それぞれの正義がぶつかり、実在人物も交えながら物語が進んでいく。事件を追うほど、新旧の制度と人々の暮らしがぶつかる明治の姿が見えてくる。
おすすめポイント
現代では当然の警察制度も、明治初期には新しく整えられていく途中でした。本作では、その新制度を運用する側と、江戸時代の価値観を引きずる側が同じ事件へ関わります。
つまり事件の真相だけでなく、「誰が社会の秩序を決めるのか」までテーマになります。歴史人物を大胆に組み合わせる山田風太郎原作らしい面白さもあります。
歴史の濃さ:高め。制度史とフィクションの事件が強く結びついています。
6. 日露戦争物語
🥉おすすめ度:76
★★★
日本が近代国家として戦争へ向かう過程を、多数の人物で描く歴史漫画。明治の光と影を大きなスケールで追う
明治テーマ:近代国家形成・軍事・日露戦争
あらすじ
明治期の日本が近代国家として制度や軍備を整え、清やロシアとの国際関係を深めていく中、やがて日露戦争へ向かうまでを群像劇として描く。軍人、政治家、一般の人々など多様な立場から時代を追う。戦争へ至る過程を追いながら、一人ひとりが時代の変化にどう関わるかも描かれる。
おすすめポイント
鉄道、軍隊、教育など近代化が進む一方、それが戦争遂行の力にもなっていく過程が見えます。
文明開化という言葉だけなら明るく聞こえますが、国家が強くなることと軍事化は切り離せません。本作はスケールが大きく、人物も多いため気軽な読み味ではありませんが、明治を「近代国家形成の時代」として広く見たい方には興味深い作品です。
歴史の濃さ:非常に高め。戦争史・政治史への関心がある方向けです。
【まとめ】明治時代の漫画のおすすめ作品をテーマ別に振り返り

最後に、明治時代の漫画おすすめ17選をおすすめ度の範囲ごとに振り返ります。
🥇大傑作(おすすめ度:86〜90)
ゴールデンカムイ
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
🥈傑作(おすすめ度:81〜85)
ふしぎの国のバード
日に流れて橋に行く
ヨコハマ物語 夢草紙―明治編―
明治メランコリア
涙雨とセレナーデ
🥉良作(おすすめ度:76〜80)
陽だまりの樹
王道の狗
ニュクスの角灯
一の食卓
東京ラストチカ
明治緋色綺譚
曇天に笑う
警視庁草紙‐風太郎明治劇場‐
日露戦争物語
🎖️入選(おすすめ度:71〜75)
明治失業忍法帖
明治時代の漫画おすすめ17選を、名作、文明開化・暮らし、恋愛・事件・激動の3タイプに分けて紹介しました。
まず読みやすさと完成度を重視するなら『ゴールデンカムイ』『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』がおすすめです。
時代そのものを深く知りたいなら『陽だまりの樹』『ふしぎの国のバード』『王道の狗』、暮らしや商売の変化なら『日に流れて橋に行く』『ニュクスの角灯』が印象に残ります。
恋愛を中心に楽しみたいなら『明治メランコリア』『涙雨とセレナーデ』『明治緋色綺譚』、事件や制度の変化なら『警視庁草紙‐風太郎明治劇場‐』も面白いです。
明治漫画の魅力は、和と洋、武士と会社員、旧幕臣と新政府など、異なる時代の価値観が同じ場所に存在するところです。
まずは剣客、文明開化、恋愛のどれを読みたいかで一作選び、そこから別の角度の明治へ広げてみてください。
作品を選ぶときは、順位だけでなく、今読みたいテーマと物語の温度にも注目してみてください。歴史や社会の変化をじっくり追いたい日、恋愛や日常へ寄り添いたい日、複雑な構成を読み解きたい日では、同じ作品でも響く場面が変わります。まずは気になった一作の第1巻から読み、人物の関係や時代背景が自分に合うか確かめると、無理なく次の作品へ広げられます。
参考文献
- 博物館明治村「明治・大正が舞台の漫画」
- 手塚治虫公式「陽だまりの樹」
- ゴールデンカムイ公式サイト
- 国立国会図書館サーチ:作品・出版情報の確認に使用。
- 文化庁「メディア芸術データベース」:漫画・アニメ作品情報の確認に使用。
